MGMT Oracular Spectacular
NY/Brooklynの音楽シーンから登場したアンドリュー・ヴァンウィンガーデン(Andrew Vanwyngarden)とベン・ゴールドワッサー(Ben Goldwasser)の二人からなるサイケデリック・ポップ・ユニットの記念すべきデビュウ・アルバム。ユニット名のMGMTというのは「もう我慢できないよ、全くとんでもない作品だよ。」の略、ではなくて"management"という意味。ビジネス英語を知っている人にとっては常識の範疇だろうけれど。ちなみに、「マネージメント」と読むのか、「エムジーエムティー」と読むのかについては不明。それはさておき、と。このアルバム、それはそれはとても良く出来た作品で、初めてCDショップで試し聴きをした時に「おお、イイじゃないか」と思ったのだが、更にまた聴けば聴くほど味が出るという優れものなのである。捨て曲も基本的に存在しない。デイヴィッド・ボウイ(David Bowie)の影響を強く受けているように思ったのだが、ネット上では例えばフレイミング・リップス(The Flaming Lips)と比較されていたりする。ちなみにプロデュースをそのFLと同じくデイヴ・フリッドマン(Dave Fridmann)が担当しているので、音楽的に近くなるのは当然とも言えるだろう。基本的にグラムっぽくてサイケっぽくてエレクトリックなサウンドなのだけれど、少なからずダンス音楽的な面も持ち合わせていて、これについてはシザー・シスターズ(SCISSOR SISTERS)っぽいところも多々ある。ここでは、1970年代から1990年代までに生み出された様々な音楽の美味しいところをうまい具合に取り込みつつ、更にはこれから10年先を見据えるような楽曲構成になっている、とまとめてしまおう。最後になるけれど、同ユニットは今年の8月に開催されるサマー・ソニック2008への参加が決定している。以上。(2008/04/30)
Oracular Spectacular