Rupert Wyatt監督作品 Rise of the Planet of the Apes 2012.02(2011)
一連の『猿の惑星』映画の中で、本作品はティム・バートン(Tim Burton)版『PLANET OF THE APES/猿の惑星』以来およそ10年ぶりとなる、今回は更に更に進化したVFX技術を駆使しての最新作にして新たなシリーズの端緒となるらしい作品である。監督はルパート・ワイアット(Rupert Wyatt)という英国人。主演はサム・ライミ(Sam Raimi)版『スパイダーマン』シリーズやダニー・ボイル(Danny Boyle)の『127時間』などで名をはせたジェイムズ・フランコ(James Franco)がつとめる。ちなみに、意外なことに3D版はない。
フランコ演じるウィル・ロッドマンは、薬品会社で認知症治療薬の開発に取り組む生化学者。そこには父の認知症を治そう、という気概もあった。ある日、臨床実験中に新薬を投与した雌ザルが狂暴化して逃亡を試み、射殺される。残された子ザルを内緒で自宅に連れ帰り育て始めるロッドマン。やがて子ザルは驚異的な知能を発揮し始め、というお話。
父を救いたい一心で開発した新薬が驚くべき効果をあげてしまうことになるわけだが、そんな中で揺れ動く科学者をフランコが好演。原作がそうであったように、人間や文明というものに対する鋭い批評精神を湛えつつも、父/子の関係をヒューマニズム溢れる暖かいタッチで描いた好篇であると思う。次作以降にも期待したい。以上。(2012/09/14)