PORTISHEAD THIRD
1994年にデビュウ作Dummy、1997年には自己タイトルの第2作Portisheadを出し、1990年代には同じくブリストルのユニットであるMassive Attackと共にトリップホップと呼ばれるムーヴメントを作り出した彼らが、約10年振りに発表したスタジオ録音による3枚目の新作である。そう言えばMassive Attackもこのところ音沙汰無いのだがそれはさておき、と。この作品、ジェフ・バロウ(Geoff Barrow )の生み出すひたすらどんよりと重いThe DoorsやJoy Divisionにも通じる基本的にエレクトリックなサウンド、それにマッチしすぎているベス・ギボンズ(Beth Gibbons)の儚(はかな)げなヴォイスが絡み合うという、その独特な音響世界の一つの完成形ともいうべき傑作で、取り敢えず今年前半最大の目玉ではないかと思う。どこを切ってもひたすらPotisheadなのだけれど、中でも例えばインダストリアルなシングル曲"Machine Gun"も良いが、3曲目"Nylon Smile"、それこそThe DoorsでJoy Divisionな感じの第6曲"We Carry On"が取り分け素晴らしい。ダークでどんよりした音像世界に沈潜したい、という方にはうってつけの一枚である。以上。(2008/05/17)
third