Prince Lotus Flow3r & MPLSound etc.
我らがPrinceの2年ぶり新作は3枚組。でも値段は普通のアルバムと変わらない。まあ、この人なら普通にやりかねないこと、なので別に驚きはないのだが。中身はと言えば実は2枚がPrince名義のもので、もう1枚としてPrinceがプロデュースしたBria Valenteという女性シンガのアルバムELIXERをそのまま封入されている。これ、単体では売ってないので聴くためにはPrinceのアルバムを買わないといけない、という趣向。でも、別段悪い内容ではない、と言っておきたい。単にヴォーカルがPrinceじゃないだけだからね。さて、本題。Prince名義の2枚だけれど、相変わらず極めて完成度の高いものをごくごく短かいインターヴァルで作ってくる、というか、その職人芸振り、職人魂振りにはやはり驚嘆する他はない。ギター・サウンドが基調にあるところどころSteely Danっぽかったり、もろにジミヘンぽかったりするLotus Flow3r、まさしくPrinceの原点であるエレクトリカル・ファンク=ミネアポリス・サウンドをそのタイトルとして持つMPLSoundともに、非常にゴージャスであり、かつまた実直さすら感じる内容。やはりその音楽シーンにおける存在を決して忘れてはならないアーティストの相変わらずな健在振り、というよりは更なる進化を示す作品になっていると思う。以上。(2009/11/10)