Ridley Scott監督作品 『プロメテウス』
巨匠リドリー・スコット(Ridley Scott)による、SF映画である。日本でのキャッチコピーは「人類の起源」。出演はノオミ・ラパス(Noomi Rapace)、シャーリーズ・セロン(Charlize Theron)、ガイ・ピアース(Guy Pearce)などなど。「えっ、ガイ・ピアース?」って思ったのだけれど、あの人です。それは兎も角、と。
時は西暦で2093年。数年前に発見された遺跡などに描かれた星図から、人類の起源について考えるためのヒントとなりうる可能性が浮かび上がったとある天体に赴くべく、ウェイランド・コーポレーションが集めた学者・エンジニア等はプロメテウス号に乗り込む。長い旅を経てかの地に降り立った彼等が見出したものは、巨大な、人工物としか思われない建造物群であった。中に入り込んだ彼等は、かつてそこにいた者達の存在を知り、そしてまた、人類の存亡を左右する恐るべき敵と対峙することになるのだった、というお話。
思わせぶりな、そしてまた何とも安っぽいキャッチコピー、というか何でもっとあからさまに宣伝しないのかが良く分からないのだが(何ですか、「人類の起源」って。)、要するにこの映画、「エイリアンの起源」について語るものである。まあ、リドリー・スコットだし、ウェイランド・コーポレーションなので、予備知識なしても見始めて10分位で気づくのだが。そんなこんなで、ちょっとPRのやり方には疑問を感じている。何か裏事情かなんかがあるんだろうかと邪推してしまう。
さて、映画自体は、『エイリアン』の第1作を恐ろしく大胆に踏襲した内容で、一応その前日談ではあるのだけれど、色々なところが第1作の焼き直しっぽい気がして、ちょっと残念だった。映像技術の進歩というのには確かに凄まじいものがあるわけだが、もうちょっとやりようがあったのではないだろうか。
まあ、こんなのを、他の脚本家や監督が無断で作ったのならきっとリドリー・スコットは激怒しただろうけれど、これ、本人が作ったところに面白みがあるのかも知れない。ひょっとして今世紀のトレンドである「2周目」、なんてこともあり得るわけで、続編みたいなものにもほんのちょっと期待してしまう。次は是非、監督=ジェイムズ・キャメロン(James Cameron)でお願いします。以上。(2012/09/06)