PRIMAL SCREAM RIOT CITY BLUES
これまた音楽シーンの中でとても重要なバンドの久々の作品は、このところのエレクトロニックでディジタルな路線からは全く反転する形の何ともベタなロックンロール・アルバム。殆どカントリィな造りの画期的とも言える巻頭のシングル・カット曲“Country Girl”、The Rolling Stonesの曲じゃないか、とすら思える第2曲“Nitty Gritty”や第8曲“Dolls”(こっちは若干グラム・ロックも入ってますね。)、「うは、Elvisかよ…」、と誰もが思うはずの第9曲“Hell's Coming Down”等々、何ともノリノリなロックンロール・テイスト大放出という感じの造りで、しかも大変な完成度を持っているところが凄い。このアルバムの中では唯一異色とも言えるサイケデリックな第5曲も含め、これは本年前半では最高の傑作アルバムだろうとさえ思える。時代に逆行するものは基本的に嫌いな私なのだが、この完成度の高さは少しでもクリエイティヴなことに関わっている者全て見習わなければならないほどのものだ。蛇足だけれど、第5曲“When The Bomb Drops”(このところのイスラエル-レバノン情勢悪化を見るに付け色々と考えさせられる楽曲である。)にはEcho & The BunnymenのWill Sergeantが参加していたりする。それを知ってから聴くと、確かにこの曲、「バニーズっぽいな」、と思った次第。以上。(2006/07/28)