Darren Lynn Bousman監督作品 SAW III 2007.10(2006)
先頃第4作が封切られたそれなりに定着した感のある「怖がらせソリッド・シチュエーション・ホラー」シリーズの第3弾。1年に1本というペースを守っているけれど、そうなると来年の今頃第5弾が封切られるのだろうと思う。
今回は前作以上にジグソウが出ずっぱりで、その弟子と共にほぼフル出演。基本的にこの二人の間にある葛藤みたいなものが話の中心になっていて、こういうシチュエーションもので、仕掛ける側が中心になっている点はとても面白いと思ったのだが(まあ、それを言ったらCUBE ZEROもそうなのだが…)、そこから先が無いのがやや残念なところ。もう少し話を膨らませてくれないと、さすがに途中で飽きが来てしまう。
さてさて、それでも全く期待していなかった割にはそこそこ楽しめたのも事実。「誘拐して、仕掛けを作って、その中でもがく様子を眺めて悦に入る。」、という基本図式だけではなくて、そもそも第1作こそがその最大の成功例と言えるのだけれど、そういう図式に第2作以降次第に質は低下しているとは言えなかなかに苦労のあとが感じられる様々の工夫をこらしてきているところは認めないといけないところだと思うのだ。
そんなわけで、第2作の時点で既にネタ切れ感があったわけだけれど、そうなると今後どうやってシリーズを維持していくのか、あるいはどこかで終わりにするのか、その辺り、要するに全体としてのプロダクト・デザインの在り方には少々興味を覚えている次第。以上。(2007/12/08)