神永正博著『現代暗号入門』講談社ブルーバックス、2017.10

理学博士にして東北学院大工学部教授である神永正博による、タイトルの通り暗号についてその歴史や発展、あるいは今日それが持つに至った重要性などについてコンパクトにまとめた入門書になる。副題は「いかにして秘密は守られるのか」。
暗号というのはホントに古くからあるのだけれど、今日においてはインターネット上でのデータのやり取りのみならず、ICカードだの、仮想通貨といったところにもバリバリ使われている。
要するに、暗号技術とは、音源や画像といったもののみならず、資産や個人情報なども含めあらゆるものがディジタル化されていく中で、情報の安全性や信頼性を維持するために必須な技術、なのである。とりわけ、暗号技術の応用として生み出された電子証明書や、それを利用した認証、といったあたりの技術の需要はきっと更に増大の一途をたどることだろう。
そんな、これからの世の中を支えていくことになるはずの基本技術=暗号技術のあらまし(公開鍵暗号、ブロックチェーン、ハッシュアルゴリズム等々)を知る上で、好適な書だと思う。以上。(2017/11/29)