SCRITTI POLITTIWHITE BREAD BLACK BEER
前作ANOMIE & BONHOMIEから約7年。正直言って忘れた頃に現われた、1980年代を代表するポップ・プロジェクトであったSCRITTI POLITTIの新作は、歌詞カードの裏などからするとグリーン・ガートサイド(Green Gartside)の自宅で彼自身によって作詞・作曲・演奏がなされ、何人かが手伝う形で録音されたという、何ともアットホームな仕上がりのもの。さてさて、そういうことも面白いのだが、この久々のアルバムについて何と言っても感動的なのは、そのレーベルがRough Tradeであること。そうそう、このユニットというかプロジェクトの記念碑的な第一作Songs to Rememberがここから出ていたのは周知の通り。いやはや、感無量である。そういう背景もさることながら、相変わらず美しい声とその圧倒的な作詞・作曲センスには脱帽する他はない。派手なアレンジが無い分、全体から受ける印象は1stに近いようにさえ思う。これは、今年最大の目玉と言って良いアルバムである。くれぐれもお聞き逃し無きよう。以上。(2006/10/06)