Sam Raimi監督作品 Spider-Man 2 2005.09(2004)
マーベル・コミックが生んだヒーローである「スパイダーマン」の、サム・ライミ(Sam Raimi)を監督に起用しての実写映画化第2弾である。主役のピーター・パーカー=スパイダーマンには若き2枚目俳優トビー・マグワイア(Tobey Maguire)を起用。他に、キルスティン・ダンスト(Kirsten Dunst)、ジェームズ・フランコ(James Franco)、ベテランのウィレム・デフォー(Willem Dafoe)、今回の敵「ドック・オク」役としてアルフレッド・モリーナ(Alfred Molina)などが名を連ねている。
前作の闘いから2年。ピーター・パーカーは、スパイダーマンとしての活動の傍らコロンビア大学に通っていたが、成績は振るわず、バイトもクビに。そんな中、誕生パーティで幼馴染のMJ(ダンスト)、親友ハリーとの再会を果たす。彼らとの距離を改めて感じる中、父の後を継いだハリーから、ピーターは科学者オットー・オクタビアス(モリーナ)を紹介される。
その翌日、核融合の公開実験に臨むオクタビアスだったが、実験は失敗。実験用のアームを制御する人工知能がオクタビアスに乗り移り、オクタビアスは怪人「ドック・オク」と化す。一方、ヒーローとしての活動に疑問を感じ始めていたピーターは、次第にその能力を失いつつあった。スパイダーマンは、暴走するドック・オクを止められるのか、というお話。
どう考えても傑作であった第1弾を更に上回る内容で、驚くことしきり。特撮の冴えもさることながら、自問するピーター、そして父の亡霊に付きまとわれるハリー、ピーターの上司の息子と婚約はしたもののどこか後ろめたさも感じているMJ、等々、まさに青春群像劇。単純明快なヒーロー・アクション映画からは遥かに遠い地点にたどり着いた、昨今におけるハリウッド映画のすさまじい進化ぶりを感じさせてくれる一作である。以上。(2006/01/28)