Sam Raimi監督作品 Spider-Man 3 2007.10(2007)
マーベル・コミックが生んだヒーローである「スパイダーマン」の、サム・ライミ(Sam Raimi)を監督に起用しての実写映画化第3弾である。主役のピーター・パーカー=スパイダーマンには若き2枚目俳優トビー・マグワイア(Tobey Maguire)を起用。他に、キルスティン・ダンスト(Kirsten Dunst)、ジェームズ・フランコ(James Franco)、ベテランのウィレム・デフォー(Willem Dafoe)、今回の敵「サンドマン」役としてトーマス・ヘイデン・チャーチ(Thomas Haden Church)などが名を連ねている。
市民から愛される存在となったスパイダーマン。ピーターはMJとの交際を始め、学業も順調。そんな平和な日々もつかの間、「ニュー・ゴブリン」のスーツに身を包んだハリーがピーターを襲う。ハリーは、父の仇をスパイダーマン=ピーターであると信じ込んでいたのだ。
辛くもハリーの攻撃から身を守ったピーター。しかし同じころ、ピーターのおじを殺害した犯人であるフリント・マルコ(チャーチ)という男が、警察の手を逃れるために逃げ込んだ研究所で分子実験に巻き込まれ、魔人「サンドマン」と化す。私怨にさいなまれるピーターは、謎の液状生命体「シンビオート」の力により、「ブラック・スパイダーマン」へと変貌を遂げる。事態が混迷を深めていく中で、ピーターはどこに向かうのか、そしてまた何を見出すのか、というお話。
ここまでが既に空前のスケールで作られてきたこのシリーズだけれど、完結編の第3作は更にスケール・アップ。これ以上のものを作るのは難しいのではないか、と思えるような出来栄えに舌を巻く。これまでに張られてきた数多くの伏線をきちんと回収しつつ、更に物語を拡大し、しかも無理なく腑に落ちる。単にお金をかけただけではない、文字通りハリウッドの総力が結集した偉大な作品、と述べておきたい。以上。(2008/02/20)