ARCADE FIRE The Suburbs
先日の米グラミー賞でアルバム・オブ・ジ・イヤーを受賞したことで初めてその存在を知ったカナダのバンド、アーケイド・ファイア(Arcade Fire)による通算3枚目のオリジナル・アルバムである。割とアコースティックなサウンド・スタイルが基調にあって、例えばTRAVISっぽいところをあちこちで感じた次第。あるいはまた、1970年代のディスコティック・サウンド、例えばABBAやBee Geesっぽいテイストもある。ただ、それはあくまでもこの何ともユニークなバンドの一側面に過ぎない。本作などはまさに、一般にはそのようにジャンル分けされている、オルタナティヴ、という枠組みには全く収まらない感じの、豪華絢爛な総合ポップス、という印象のアルバムに仕上がっている。そして、その質は極めて高い。これは、彼らのキャリアの中でも最高傑作、と言われ続けることになるだろう。そんな、大変完成度の高い作品だけれど、是非とも、これを超えて欲しいものである。以上。(2011/03/22)