THOM YORKE SUSPIRIA
英国のロック・バンドRADIOHEADのフロント・パーソンであるトム・ヨーク(Thom Yorke)による、映画SUSPIRIAのサウンド・トラックである。2枚組で計80分。プロデュースは、本人とサム・ペッツ=デイヴィーズ(Sam Petts-Davies)による。サウンド的には、この人のソロ・プロジェクトの延長線上にあるエクスペリメンタル・ロックあるいはアンビエントであり、さらに言えば全編にわたって異様なまでに静謐。デイヴィッド・リンチ(David Lynch)あたりの映画にも物凄く合いそうだな、と思う。ヴォーカルが入っている曲は数少ないが、きっとエンディングに流れるのだろう"Suspirium"は、ピアノといいフルートといいこの人独特の声といい、まことに素晴らしい楽曲に仕上がっている。これまでにもオリジナリティに満ちた活動をたゆまず続けてきた天才肌のアーティストが、また新たな領域に踏み出した感のある、見事な作品である。以上。(2018/11/29)