Alan Taylor監督作品 Terminator Genisys 2016.05(2015)
1984年に、ジェイムズ・キャメロン(James Cameron)により第1作『ターミネーター』(The Terminator)が作られてから早30年。長編劇映画としてはシリーズ第5作となる本作は、邦題にもあるように「新起動」と銘打たれた、新たなスタート、というコンセプトの元に作られた新3部作の第1弾、ということになるらしい。
出演はターミネーター(T-800他)としておなじみのアーノルド・シュワルツェネッガー(Arnold Schwarzenegger)の他、ジョン・コナー役としてジェイソン・クラーク(Jason Clarke)、サラ・コナー役としてエミリア・クラーク(Emilia Clarke)、カイル・リース役としてジェイ・コートニー(Jai Courtney)が起用され、更にはイ・ビョンホンらが名を連ねる。
時は西暦2029年、ジョン・コナー率いる人類とスカイネット率いる殺人マシン群との戦いは、人類の勝利に終わる。敗北を喫したスカイネットは宿敵であるジョン・コナーを無きものとするため、タイムマシンを用いてその母サラ・コナーを抹殺すべく1984年にターミネーターT-800を送り込む。一方、そのことを知ったジョンは、母サラを救うべくカイル・リースを同じ年に送り込む。
ここまでは第1作と同じだが、1984年に到着したカイルを待っていたのは、強力な液体金属ターミネーターT-1000だった。いきなりのピンチに陥ったカイルを救ったのは、予想に反して屈強な女戦士になっているサラと、彼女が「おじさん」と呼ぶ中年の姿をしたT-800だった。一体何が起きているのか。カイル、サラ、そして「おじさん」の、時空を超えた壮大なスケールの冒険が幕を開ける。
ひねりにひねっためくるめくストーリーに、ちょっとめまいを覚えながら、なるほど面白い方向に持っていったな、と感心することしきりな作品。T-800が加齢する、というアイディアが何とも素晴らしい。現実が映画に合わなくなってしまったので、映画の設定を変えてみました、といってしまえばそれまでなのだが、それを実行してしまうとは…。それはさておき、ちょっと未整理なところや粗削りなところもあるとは言え、なかなかに堂々たるエンターテインメント作品に仕上がっていて、キャメロンもこれなら納得するのでは、と思った次第。続編では更なるひねりを見せてほしいものだ。以上。(2016/07/13)