MY CHEMICAL ROMANCE THE BLACK PARADE
先行シングル曲の佳曲"Welcome To The Black Parade"が全英チャートで1位を獲得した、アメリカのこれはもう「ロック・バンド」としか言いようのないバンドであるマイ・ケミカル・ロマンス(My Chemical Romance)による、昨年暮れに発売された通算第3作。上記の曲がなかなかの出来、というよりかなり素晴らしいものなのと、ジャケットのアート・ディレクションが楽しいのでアルバムごと購入したのだが、「なるほど、色んなものを凝縮してるなぁ、良くやるなぁ、まあ、こういうのも悪くないなぁ」といったほどの内容。「うーん、これはちょっと軽いかな、私には向かないなぁ」という序盤から、上記の第5曲辺りからグッと深みのある楽曲構成に移り、コテコテな13曲目の2枚目のシングル曲"Famous Last Words"で一応締めくくられる(オマケもあるけれど)。ここでは、オープニング曲"The End"がもろにPink Floydの問題作The Wallを意識していたり、前述の"Welcome To The Black Parade"がこれまた明らかにQueenが創り出した史上最高ロック曲に挙げる人もかなりいる"Bohemian Rhapsody"やら、The Beatlesのこれまた歴史に残る曲である"Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band "その他諸々を意識していたり、というような具合に、全編を通して言ってみればロックの歴史へのオマージュみたいな作品になっていることを述べておきたいと思う。以上。(2007/04/10)