Michael Bay監督作品 『トランスフォーマー:ロストエイジ』
2007年に第1作が公開されたロボット・アクション・シリーズの第4作。前作同様に3D版もあったのだが、時間の都合で2D版を鑑賞。原題はTransformers: Age of Extinctionで、日本語にすれば「絶滅の時代」くらいだろうか。監督は前3作と同じくマイケル・ベイ(Michael Bay)が担当するが、キャストは大幅に変更となった。
白亜紀末期に謎の宇宙船団が地球に飛来。恐竜たちを機械生命体へと作り変え、その結果として彼らを絶滅に追いやった。それから6500万年後の現代、北極では金属化した恐竜の遺物が発見される…、というのが物語の基本的な背景。
時は現代、前作で描かれたシカゴの事件から5年。我らがオートボット達とアメリカ合州国の同盟は解消され、なぜか彼らは姿を消している。5年の間に一体何があったのか?
そんな何とも不穏な時代、リサイクル業を営む主人公のケイド・イェーガー(マーク・ウォールバーグ Mark Wahlberg)は、廃品回収の仕事で訪れた映画館の廃墟で見つけたトレーラーを自宅に持ち帰る。
解体を始めたケイドは、トレーラーが実はトランスフォーマーである事実を知るのだったが、そこに反トランスフォーマー組織KSI(=Kinetic Solutions Incorporated)の魔の手が伸びる。
襲撃から辛くも逃げ延びたケイドは、各地から参集したトランスフォーマー達、愛する娘テッサ(ニコラ・ペルツ Nicola Anne Peltz)、そして彼女の恋人シェーン・ダイソン(ジャック・レイナー Jack Reynor)等とともに謎の組織KSIの秘密を探り始めるのだが、というお話。
上映時間165分。とは言え決して長さを感じることはない実に計算された物語の作り込みと編集の見事さには舌を巻く他はない。このシリーズ、確かに、話はどんどんでかくなってきていて、そのうちに生命の起源とか宇宙の起源とか言い出すんじゃないかと思ったりもするのだが、そのあたりの塩梅として、決して一気に話を膨らませるのではなく、一つの作品では一つのテーマ、みたいなことが暗黙の裡にか計算ずくなのか妙に徹底されているようにも見え、作り手としてはなるべく息の長いものにしようとしてるんだろうな、などと邪推してみたりもする。
それはそれとして、ウォールバーグというビッグネーム1名を含む新しいキャスト、主題歌担当のImagine Dragonsへの変更、恐竜のようなスタイルのダイナボットの登場、中国へのおびただしい言及などなど、後から見れば小出し、なのかも知れないけれど様々な新機軸を割とふんだんに盛り込んだ誠にサーヴィス精神あふれる作品、と一応まとめておきたい。エンターテインメント映画としては、さすがに一級品、なのである。近いうちに続編が見られるはずだが、満を持して待ちたいと思う。以上。(2014/09/05)