Joseph Kosinski監督作品 Tron: Legacy 2011.11(2010)
1982年に作られた金字塔的作品『トロン』の、実に28年を経て作られた続編である。監督はアメリカのジョセフ・コシンスキー(Joseph Kosinski)。この人、1974年生まれなので『トロン』公開時には8歳くらい。かなりヒットしていたのでそのころにみているのではないかと想像するのだが、今ではこんなメジャーな作品を撮るまでに成長してしまった、と。その辺の、世代交代や時代の移り変わりみたいな事柄が映画の中でも描かれていて、非常に面白いと思った次第。
前作の主人公ケヴィン・フリン(ジェフ・ブリッジズ=Jeff Bridges)が失踪してから20年。息子のサム(ギャレット・ヘドランド=Garrett Hedlund)は、父の親友アラン(ブルース・ボックスライトナー=Bruce Boxleitner)の導きにより、父が残した仮想世界「グリッド」へと彷徨いこむ。やがて父と再会したサムは、グリッド世界の、あるいはまたリアルな世界の支配権をめぐる抗争に巻き込まれていくことになるのだった。
伝説的な作品の続編を作るプレッシャーはそれはそれは大変なものであったと思うのだが、入念に作られたプロット、仮想世界、キャラクタ等々がうまく絡み合って、非常にクォリティの高いエンターテインメント映画として成立していると思う。CGを本格的に駆使した非常にディジタルな映像と、かなりヒューマンな感じの愛憎劇とのバランスも面白いと思う。奇をてらわず、むしろ王道的なアドヴェンチャー・フィルムに仕立てたところが、うまいと思う。さすがはディズニーである。以上。(2012/05/10)