BEN FOLDS WAY TO NORMAL
最近ベン・フォールズ・ファイヴ(Ben Folds Five)時代まで遡ってのベスト・アルバムを出し(アンジェラ・アキとの共作"Black Glasses"を含む)、更には近いうちにアメリカの様々な大学合唱団による彼の楽曲のアカペラ・アルバムまで出る予定になっている(公式サイトだと4/28発売。個人的には音源より楽譜が欲しい。)、アメリカ出身のマルチ・プレイヤであるベン・フォールズ(Benjamin Scott Folds)による、2008年リリースのソロ通算3作目となるオリジナル・アルバム。ソロになって一度は楽曲が異様に複雑化したこの人(それはそれで素晴らしかったのだが)、やはりファイヴ時代が懐かしいのか、ややシンプルな方向に。メロディ・メーカとして、ピアニスト・ヴォーカリストとしての技量がその遺憾なく発揮されている感じで、とても聴き応えのある、そしてまた程良くバランスのとれた作品に仕上がっていると思う。今までのキャリアを顧みるなら、「ソロとファイヴの中間」、というのはあながち悪い表現ではない。個人的にはとりわけ、シングル・カットされたレジーナ・スペクタ(Regina Spektor)をフィーチャしたポップな名曲"you don't know me"、と、珍しく打ち込みを多用した第8曲"free coffee"、ファイヴ時代を想い出させてくれる第10曲"brainwashct"の3曲が面白かった。以上。(2009/04/10)