Martin Scorsese監督作品 The Wolf of Wall Street 2014.11(2013)
マーティン・スコセッシ(Martin Scorsese)監督とレオナルド・ディカプリオ(Leonardo DiCaprio)のコンビによる5本目の長編映画である。第86回アカデミー賞では、作品賞、監督賞、主演男優賞、助演男優賞、脚色賞という主要6部門にノミネートされた。惜しくも受賞はならなかったが、そこそこに高い評価を得た、という見方もできるだろう。
映画の原作はというと、ジョーダン・ベルフォート(Jordan Ross Belfort)という実在の株ブローカが書いた自伝『ウォール街狂乱日記 「狼」と呼ばれた私のヤバすぎる人生』である。ブラック・マンデーにより大手証券会社でのキャリアをスタートできなかったベルフォートが、零細株仲介業者に就職。手数料50%という、どう見てもやばいジャンク債の営業で、次第に頭角をあらわし、ついには全米の金融市場を揺るがすほどの存在となるが、…というお話。
要するに極めてアメリカ的といえばアメリカ的な人物の栄光と転落を描いた作品、ということになるわけだが、下手をすると退屈なものになり果てそうな半生記を、その見事な脚色と演出によって約3時間という長さを意識させない、見事なエンタテインメント作品に仕立てているのはさすがとしか言いようがない。
まあ、この作品、実話に基づくにしてはあまりにも脚色がどぎつくないか、と思った次第だが、実のところ訴訟を起こされていたりするようである。ベルフォート自身がどういうコメントをしているか、非常に興味深いのだが探し当てていない。(2015/02/13)