三重県伊勢市の朝熊山 2007年6月

朝熊山その1
6月23日に登ってきた、伊勢市・鳥羽市の境界あたりにある朝熊(あさま)山という山岳信仰などの研究上とても重要な山の写真を以下に数枚掲げます。全てDVCで撮影しています。ちなみに、朝熊ヶ岳というのが正式名称らしいですが、標高は555m、頂上近辺には下の方に出てくる臨済宗・金剛證寺という巨大なお寺や、電波の中継塔などが建っています。1枚目は近鉄朝熊駅方面からの登山口の写真です。


朝熊山その2
山頂までもう少し、というところからの伊勢市方面の鳥瞰です。微妙にモヤが掛かっているのですが、後に見る奥の院付近ではモヤと言うより霧に近い状態になりました。山の天候とはそういうものですね。


朝熊山その3
山頂近辺にある経塚群です。国指定の史跡となっているようです。明治期以降の台風で木が倒れたことにより発見されたとのこと。国宝になっているようなものも出土しており、これは金剛證寺の宝物館で展示している模様です。ちなみに、余裕がなかったのでそちらは見ていません。


朝熊山その4
金剛證寺の仁王門です。この門構えからも察することが出来ると思うのですが、巨大なお寺です。伊勢音頭の一節に、「お伊勢参らば朝熊をかけよ、朝熊かけねば片参り」と唄われていることからも分かるのですが、お伊勢詣りと朝熊詣ではワンセットと考えられていたわけです。真言密教の大修行場であったこの寺院、鎌倉期には中興の祖である仏地禅師(ぶつじぜんし)によって再興され、以後臨済宗の寺院となり今日に至っています。本尊は「福威智満虚空蔵大菩薩」。虚空蔵菩薩とは、無限の智慧と慈悲を有する菩薩ということになりますので、同寺院のパンフレットにも「合格祈願・智慧増進」が大々的に掲げられています。


朝熊山その5
塔婆(とうば:要するに卒塔婆)群です。要はこれが見たくてわざわざ登ったわけです。奥の院に向かう参道周辺にびっしり、という感じで建てられています。全部で1万基ほどはあるとか。最大のものは8mほどの高さがあります。この地方では葬儀の後にこの山に登りこれを建てて亡くなった方のご供養をすることになります。この日は6月27日-29日に行なわれる開山忌前の週末、ということもあり、多くの方がお参りに来ておられました。