三重県鈴鹿市の祭 2007年夏

お田植祭その1
6月24日に鈴鹿市東玉垣にある弥都加伎(みづがき)神社で行なわれた「お田植祭」です。まずは神社の拝殿前に記念撮影のために勢揃いした早乙女(さおとめ)その他の写真を。この行事、今年が第1回目となるのですが、大雨に祟(たた)られまして、2枚目の写真を良く見るとレンズに水滴が付いていたことが分かるかと。まあ、雨降って何とかなので、この祭にふさわしかったりしますけれど…。ところで、お田植祭というのは全国で行なわれておりますけれど、例えば三重県内では伊勢市の猿田彦神社のものが著名。宮司さんはそういうものを数多く実地見聞してこの行事の式次第などを組み上げたのだそうです。


お田植祭その2
斎田(さいでん)でのお田植風景。本当に物凄い雨で、観ている方も大変だったのですよ。ちなみに早乙女さんたちはこの辺りの小学生。良い経験になったんじゃないでしょうか。親御さん達からもそういう声が多かった、と宮司さんは後日に語っておられました。鈴鹿市ですと、住民の平均年齢が基本的に若いので子どもがそれなりに多く、こういう祭を催すのにそれほど支障がない感じです。この事例では祭が「維持」されている、のではなく「創出」されている訳ですけれど、こういうある種の活況振りにはこの地の人口動態的特性も絡んでいるんじゃないかな、という気がしております。


伊奈冨神社盆踊りその1
7月16日に行なわれていた鈴鹿市稲生(いのう)町にある伊奈冨(いのう)神社での盆踊りの光景です。携帯電話でもこれ位の写真は撮れるんですが、それは兎も角、と。7月14日に同神社の境内にある天王社で天王祭というものが行なわれるのですが(いわゆる祇園祭です。)、今年は台風のあおりで時間がずれてしまったことにより、私はこれを見学できず、更にその後に行なわれる予定だった盆踊りが二日後に延期となったわけです。この日は海の日だか何だかでお休みなはずですが、私の会社は出勤日。そんなわけで会社帰りに立ち寄りました。同僚も一人同行しました。ちなみに、この稲生というところは大変面白いところで、ここの獅子舞については今後深く追求してみようと考えています。


長太天王祭その1
8月1日に行なわれた鈴鹿市長太(なご)旭町にある飯野神社での天王祭から2枚ほど。この神社は秋の鯨船祭で夙に有名ですけれど、これもなかなか凄いもの。三つの町内(中瀬古、宮本、四ッ谷)からこのような屋台が繰り出し、神社に参集、屋台の上で獅子舞を演じます。宵祭りなため、携帯電話での撮影では厳しいものがありましたが、かろうじて獅子舞が行なわれているのが分かるのではないかと思います。これは神社に向かう前に中瀬古という町内で舞われた獅子舞の模様。


長太天王祭その2
20時過ぎには神社の拝殿前には三基の屋台が勢揃いし、その上にはそれぞれ無数の提灯を付けた竿が立てられます。高さは15mくらいでしょうか。どことなく秋田県の竿灯祭を彷彿とさせます。そんな何とも風情のある光景のなかで行なわれる獅子舞はかなり激しいものでしたけれど、各町の舞いは雨のためにややはしょり気味ではありましたがそれぞれ平均して1時間以上続きまして、結局終わったのは23時過ぎでした。写真はややピンぼけ気味ですが、最初に舞われた宮本の獅子舞の模様です。ちなみに、最後に行なわれた四ッ谷の獅子舞で、ラスト近くに扇子が観客の間に投げ込まれまして、運良く私はこれをゲットしました。


桑名石取祭その1
鈴鹿市内ではなく、やや番外編という感じですけれど同じ三重県にある桑名市内で行なわれていた祭の写真を2枚ほど。今年になって国の重要無形民俗文化財の指定を受けたとても有名な石取祭の模様です。8月の第1土曜・日曜がお祭の期日なのですが、土曜日の午前0時に「叩き出し」というものが行なわれて祭が開始。その後適宜休みを入れつつ日曜の深夜まで続きます。私が見ていたのは土曜の0時から朝4時くらいの間だったのですが、まあそのやかましいことといったらありません。1枚目の写真は寺町というところの「祭車」と呼ばれる言ってみれば山車。鉦と太鼓が取り付けられておりまして、これらをガンガン叩きまくりながら市の中心部を練り歩くわけです。


桑名石取祭その2
これは太鼓と鉦を叩いている様子。いつものように携帯電話で撮っているのですけれど、夜中ということもあって暗いので露光時間が長く、よくもまあ手ぶれが起きないものだと我ながら感心するのですが、動いているものはこんな感じに写ります。左にちょっと見えているのが鉦なんですが、バカでかいのが良く分かるんじゃないかと思います。その音も大変大きくて、数日間耳鳴りに悩まされました。


オンナイ念仏会
鈴鹿市とその周辺での夏の行事ラストはこちら。三日市の如来寺とその周辺のお寺で行なわれるオンナイ念仏会と呼ばれる静かな行事です。基本的に第1土曜日があてられている模様で、県の無形民俗文化財に指定されています。これも、音が重要な行事なのですけれど、上の石取祭とは対照的な何とも静かに唱えられる念仏によって、基本的には物故者の霊を慰めよう、というものです。ちなみにここは津市に総本山がある浄土真宗高田派のお寺でありまして、それ故にそういう霊魂観もあり得るということになるのでしょう。ちなみにこの日は真宗高田派総本山の方が一人見えておられまして、名刺交換がてら「大村的に言えば、高田派って真宗Cですよねぇ。」なんて会話をしておりました。何のことだか分からない人は大村英昭の論文を探して読んでください。