2012年1月アーカイブ

私設サイトの書籍紹介欄に、貴志祐介による2008年発表の中短編集『狐火の家』文庫版を追加しています。

防犯探偵というか泥棒探偵・榎本径もの第2弾ですね。ちなみに第1弾は『硝子のハンマー』で第3弾は『鍵のかかった部屋』、となります。この作家初のシリーズもの。ひょっとして最後の、かも知れませんが(笑)。

取り敢えず、中身はかなりゴリゴリの本格ミステリです。そこに作者は、防犯探偵という設定で新しい味を付け加えています。是非ご賞味下さい。

と、云う事で。

私設サイトの書籍紹介欄に、直木賞作家・道尾秀介による2009年刊行の連作短編集『鬼の跫音』文庫版を追加しています。

面白いですね。ミステリとして秀逸だし、ホラーとしても非常に質の高い作品群です。解説を京極夏彦氏が書いておりまして、これも貴重。先輩が後輩に送ったエール、として読みました。と言うか、べた褒めですけどね。

と、云う事で。

1月20日(金)、川口総合文化センター・リリア音楽ホールで行なわれていた、女声合唱団翠声会II組 第6回演奏会を聴いて参りました。以下、簡単に感想などを。

19:15開演ですので、間に合いません。武蔵野線に快速みたいなのがあれば何とか、でしたがそれも無し。1ステージ目聞き逃しました。

第2ステージはジギスムント・フォン・ノイコムによる『ミサ曲 ハ長調』。確かにハ長調ですね(笑)。19世紀前半の曲と思われるのですが、結構ポリフォニックだし、メリスマも随所に盛り込まれてます。しかもCredoも含むフルコース。ソロ2名と合唱の掛け合いまであります。大がかりですね。とても楽しかったです。ご苦労様でした。

第3ステージは寺嶋陸也編による、宮崎駿アニメ名曲集『さくらんぼの実る頃』から5曲。これ、難しいんですよね。ピアノも凄まじいし。まあ、そうではあるのですが、表情豊かに、ごくごく丁寧に歌われていたように思います。難しさもところどころで感じましたが、それはそれ、非常に感動的な演奏でした。

第4ステージはこの日のメイン・ディッシュ。詩・宮本益光/曲・信長貴富による委嘱初演曲『うたうたう』、です。言葉とメロディの関わり合いが何とも絶妙な情感を醸し出していました。信長氏、何度も書いてますがこのところホントに充実してますよね。そんな新たな作品を歌える喜びもひとしお、という感じで、実に輝かしい、そしてまた温かさに満ちあふれた演奏だと思いました。

そうですねぇ、お天気悪かったんですけど、それも何となく吹き飛んだような気分になる、さわやかで、しかも音楽的にも充分に深い、愉しい演奏会でした。ありがとうございました。

と、云う事で。

私設サイトの書籍紹介欄に、今野敏による「奏者水滸伝」シリーズ第7弾にして最終巻『北の最終決戦』文庫版を追加しています。

オリジナルは1989年刊行の『怒りの超人戦線』。核廃棄物の処理を巡り、北海道の地で暗闘が繰り広げられます。

原子力行政についてのストレートな批判も盛り込まれてまして、今振り返るとあの頃にもそういう空気があったんだな、と改めて思いました。そうですねぇ、事故が起きてからでは遅いんですよね。なかなか難しいところです。今回の一連の出来事は天からの戒めと考えるべき、そしてまた心の糧とすべきなのかも知れませんね。ちょっとキリスト教めいてますが。

と、云う事で。

私設サイトの音楽CD紹介欄に、アイスランドの天才シンガー=ビョーク(Björk)によるマルチ・メディア・プロジェクト『バイオフィリア(Biophilia)』の一環としてリリースされた音源CD(タイトル同じ)を追加しています。

コンセプチュアルな、ヴォーカル・アルバムといった装いです。普通のアルバム、と言っても過言ではありません。マルチ・メディア展開も面白そうなのですが、時間がないので追うことは難しそうです。興味のある方は、リンクを貼っておきますので、是非挑戦してみて下さい。

Björk.com

と、云う事で。

去る1月15日(日)、渋谷の大和田さくらホールで行なわれておりました、樹の会による合唱演奏会『音楽の夕べvol.3 三善晃とともに』を聴いて参りました。以下、簡単に感想などを。

指揮は全て藤井宏樹氏、です。演奏は各ステージ毎に異なります。で、計7ステージ、というヴォリュームです。しかも三善晃です。ふう、お腹一杯。

第1ステージは樹の会ユースクワイア~奏(かなみ)~による『やさしさは愛じゃない』。樹の会は若い人多いですね。ユースだけでこの人数なんだ~、と思いました。難しい音も随所に混じってますが、そつなくこなす、という感じのさわやかかつ端正な演奏でした。

第2ステージは女声アンサンブルJuriによる『動物詩集』。女声版ですね。低音かなり低いな、と思いました。大変です...。男声アルト入れてちょうど良い?それは兎も角、12人くらいで歌っていたように記憶していますが、あのホールならちょうど良い感じ。さすがに声量ありますね。表現も非常に濃い。個人的にはこの日のベスト・パフォーマンスでした。

第3ステージはNekko Male Choirによる『一人は賑やか』。男声合唱+ピアノ連弾です。こういうのを聴くにつけ、いやー、良い曲書くな~、と思うのですが、いかがでしょうか。演奏も曲の良さをうまく引き出していて、とても良かったと思います。

第4ステージは余りにも著名な『三つの抒情』女声版。演奏ははるかさん。愛すべき小曲集を、本当にいとおしそうにお歌いになられていました。そうですねー、こういう曲は次世紀にも受け継がれていかなければなりませんね。

第5ステージは、とか言ってこの辺でそろそろ疲れて来ていたのですが(すいません...)、Ensemble PVDによる『四季に』。記憶が薄い(笑)。さすがに樹の会の中核メンバですので、非常にきっちりとしたたたずまいの演奏でした。

第6ステージは山梨と東京に分かれて活動することになったゆうかさんによる『五柳五酒』。疲れもピークでした(すいません...)。前にもコロ・フェスタかどこかで聴いたように思うのですが、良く練り込まれた演奏だと思いました。何度聴いても面白い曲ですね。

第7ステージは全員集合+NHK水戸児童合唱団による大曲『波』。パワフルですね。昨年3月末に行なわれる予定だったものが、延期されたコンサートな訳ですけれど、そうですねぇ、ここで敢えて、という意を汲みたいと思います。本当に大きな犠牲が出ました。日本再スタート、そんなことを願わずにはいられません。

アンコールは2曲。『夕焼け小焼け』と『Over the Rainbow』。異様なまでに濃い曲ばかりを続けてきて、愛唱歌的なものでしめる。良いですね~。ちょっとホッとしました。まあ、三善晃なので一筋縄ではいかないのですが...。

そんなところです。

ちなみに、全体として、ホールのサイズとはちょっと合わない気がしましたが、こればかりはやむを得ませんね。本来タケミツメモリアルで行なわれる予定だったわけで。震災は色々なものを我々から奪っていったのです。

と、云う事で。

去る1/14(土)、すみだトリフォニーホールで行なわれておりました、千葉大学合唱団第70回定期演奏会を聞いて参りました。以下、簡単にご報告を。

さすがに冷え込んでましたが、大入りでした。開演は16時。仕込みに時間がかかるせいで土曜日でもこの時間になったものと思われます。

第1ステージはK.ペンデレツキの『ポーランド・レクイエム』から「アニュス・デイ」。著名な作品ですね。そして、非常に難しい。大変ではあったでしょうけれど、実に破綻のない演奏で、非常に良かったと思います。この曲は少々破綻気味でも良い、とかいうのもあるんですが、こういう端正さも貴重かと。磨けばもっと光る原石のような感じの演奏で、ある種頼もしささえ感じました。

第2ステージは学生指揮者M君の指揮による小林秀雄『混声合唱組曲 夢』。この曲、雑誌の付録、なのだそうです。殆ど知られていないらしく、勿論私も知りませんでした(笑)。何とも可愛い曲でして、みんな楽しそう。こういう形で演奏されたことで、新たに脚光を浴びるかも知れません。どうですかね。会場に小林秀雄さんもみえてましたが、感慨深かったんじゃないでしょうか。

第3ステージは、この日のメイン・ディッシュ。昨年私の入っているコーロ・カロスが委嘱初演した、『アシタ ノ キョウカ』再演です。

林光さん追悼、のような形になってしまいましたが、それは置くとしまして。いやー、取り敢えず、良くやったと言いますか、一人一人がキチンと演じる、歌う、動く、といったことをやっていて、本当に良く鍛錬されているな、と思いました。この曲、テクスト自体が基本的にとても難解です。なのですが、兎にも角にも自分達自身で分かるところまでをお客さんに伝える、という姿勢がにじみ出ていましたね。演劇においては、そういうことってとても大事ですよね。

まあ、全体として本当に良い舞台だったわけですが、とりわけカッパ役のTさんには脱帽。凄い才能だと思いました。これからもどんどん伸びていって欲しいものです。

そうですね~、この合唱団、全体として非常に良い流れが出来ているな、と思いました。パートリーダーや学生指揮者のような学生達とは普段から一緒に歌っているわけですが、彼等が引っ張っているんでしょうね。更なる進化を期待します。これからもがんばって下さい。

と、云う事で。

去る1/9(月・祝)、サントリーホールで行なわれておりました、『特別演奏会 みずほフィナンシャルグループ 成人の日コンサート2012 第23回』に出演して参りました。以下、簡単に報告などを。

今回も栗友会合唱団の一員としての参加です。割と人数少なめ。でも声は大きめかも、でした。

コンサート自体は二部構成で、前半の第1部にはヴァイオリニストの成田達輝さんによるJ.S.バッハのシャコンヌ演奏や、尾上菊之丞さんによる林英哲さんらの太鼓をバックにした舞踊が行なわれていた模様です。私は集中を切らさないため観ていませんがかなり良かったらしいですね。

第2部はW.A.モーツアルト作曲の歌劇『魔笛』抜粋演奏形式版。構成・台本はあの実相寺昭雄によるものです。実は2005年に二期会が実相寺演出による『魔笛』を初上演し、その後も再演がなされてきましたが、割と知る人ぞ知る演出。ちなみに実相寺さん自体は2006年に没。今回は怪獣こそ登場しないものの、演奏会形式からはかなりはみ出した、見た目にも楽しい舞台となっていたと思います。

我々の出番は第1幕と第2幕のそれぞれエンディング部。短いとは言いながら、ちょっとだけ演出付いてますし、暗譜ですし、ドイツ語ですし、テンポは非常に速いので、かなりの集中力を要求されました。お客さん一杯でしたし。良い経験になったと思います。

ちなみに指揮は大友直人さん。非常に分かりやすい棒でした。実は、今回特筆すべきは各ソリスト達で、夜の女王を歌った佐藤美枝子さんも結構焦りを感じたんじゃないか、とか(笑)。若い人たちの対等がめざましいですね。特に、ザラストロのジョン・ハオさん、パパゲーノの大沼徹さんは本当に素晴らしかったです。まさにはまり役、という感じでした。

以上です。次回本番は10日ほど後のレコーディングとなります。

と、云う事で。

私設サイトの書籍紹介欄に、今野敏による1988年刊行の作品の再文庫化、『奏者水滸伝 追跡者の標的』を追加しています。

原題は『裏切りの追跡者』。シリーズ第6弾です。前巻でソロ・プレイも一巡しましたので、再び主人公は比嘉へと戻ります。今野敏自身空手家であることもあり、とても切れの良い巻になっていると思います。シリーズ最強の敵に、4人は同立ち向かうのか、是非その目でお確かめ下さい。

と、云う事で。

去る1月7日(土)、宇都宮の栃木県総合文化センターで行なわれておりました、宇都宮大学混声合唱団第45回定演を観て参りました。以下、簡単にご報告などを。

宇都宮寒いですね。お昼に、というか遅いお昼に餃子などを食べ、二荒山神社にお参りしてから会場入りしました。

第1ステージはK.ニステットの『ミサ・ブレヴィス』より。ご存じの通り、かなり難しい曲です。合唱団のパフォーマンス的に、ちょっと厳しいかな、と思いました。もう少し声があれば、音程の悪さもカヴァ出来たかも知れません。現状そこが一番の課題でしょうか。

第2ステージも大変な曲。寺嶋陸也による『アポリネールの三つのシャンソン』。指揮は学生指揮者のK君でした。そうですねぇ。ニステットもそうなのですが、これなどは更に、もう少し様々な意味合いで「大人びて」から歌うべき曲なのでしょう。やっぱり表現がちょっと薄い。まあ、学生には背伸びさせる、という方向性は良く分かります。確かに、どこの大学合唱団も、明らかに大変と思える曲に挑んでます。まあ、それを言ったら高校生も、ですが。でも、敢えて挑むからにはもう少し何とかならなかったかな、とは思いました。言葉の捉え方、フレーズの作り方など、基本的なことからしっかりと、一つ一つ学んでいって欲しいと思います。

第3ステージは1/5に物故された林光作曲の合唱劇『なめとこ山の熊』。楽団として、フルート、パーカッション、ヴィオラ、ファゴットが入ります。これまたかなり難しい曲です。音楽的にはもう一歩の踏み込みが欲しかったですが、それでも舞台作品としての仕上がりについてはまずまずだと思いました。

原作は宮澤賢治。彼らしくとても仏教的な、まあ法華思想なんですけど、その辺が良く出ているお話だと思うのですが、何とも切ないですね。切ないだけではなくて、今日的な課題であるエコロジーにも繋がっています。そういう原作を元に、今となっては最早晩年に至っていた林光が(2010年初演です。)、精魂込めて作ったことが良く分かった次第。色々な意味で非常に重要な作品だと思います。

次にこの人たちの演奏を聴くのはいつになるのかな、と。謎ですね。マリスステラには近所ですけど行けません。となると一体?それは兎も角、日々の努力を怠らず、これからも精進して欲しいと思います。がんばって下さい。

と、云う事で。

私設サイト書籍紹介欄に、桐野夏生による長編『女神記』文庫版を追加しています。

「新・世界の神話」という企画の一冊となります。第19回紫式部文学賞に輝いた作品ですが、そろそろこの作家もとれる賞が無くなってきたんじゃないかと思います。Wikipediaなどを見ると、この人の受賞歴が分かりますが、それはそれは凄まじいです。

と、云う事で。

新年明けましておめでとうございます。取り敢えず喪中なんですが一応ご挨拶。

さてさて、昨年はさんざん色んな公演その他に出ていたわけですが、その締めくくりにして今年の歌い初めを果たして参りました。その名も、『コンチェルタンテ・スーパー 宮川彬良vs新日本フィルハーモニー交響楽団 チョー年越しコンサート2011→2012』、です。

タイトルで大体分かると思うのですが、要は年越しコンサートです。ジルベスター、と言われているものですね。フルオケ付いてますが、基本クラシックじゃないからそういう命名にしなかったのかも知れません。場所はすみだトリフォニーホールで、時間は22時から翌日。そんな感じですね。

我々の出番はカウントダウン間近から年明けの時間帯。結構やること多いです。そこそこ練習もしました。

そうですねぇ、29日から始まったピアノリハ、オケリハが本当に楽しくて、これはどうなっちゃうんだ、と思っていたのですが、本番も本当に楽しかったですね。司会にピアノにと大活躍だった、宮川彬良さん、実にたいしたものだと思いました。

演奏曲は宮川さんのミュージカル作品などからとられたものや、ディズニー・メドレー、そして代表作である「マツケンサンバII」、といったところでした。大部分米良美一さんがリード・ヴォーカルをとっておられまして、「いやー、この人とまさかこんなところで共演なんて、1990年代初めにはどっかのバロックものの演奏会でいつか、とか思っていたのにまさかねー、マタイとかそういうのじゃなくてマツケンサンバか(笑)」、と独りごちていました。

そんな感じです。

大晦日から元旦未明にかけ、寒い夜でしたが、私自身も楽しく過ごせましたし、結構大入りだったお客様にも楽しんで頂けたのではないか、と思う次第です。ありがとうございました。

と、云う事で。