私設サイトのDVD紹介欄に、トム・ティクヴァ監督の映画『パフューム ある人殺しの物語』を追加しています。
映像・音ともに、超絶的に素晴らしい傑作だと思います。究極の香りを作り出すためにある意味使命感のようなものをもって人を殺していく男を描いた小説の映画化なのですが、話の中心が「香り」であるだけに、その映像化がとても大変なのは当たり前のこと。その難しいことを、これ以上ない形で見事にやってのけているのが驚異的ではないかと思った次第です。
井上夢人が書いた『オルファクトグラム』という、やはり犬並みの嗅覚を身につけてしまった男の物語が映像化されていますが、これはWOWOWで放送されたものであって市販VHSはあるもののどうやらDVDは出ていない模様。実はこの小説の主人公、嗅覚信号を視覚神経で処理できるようになっているという設定なんですが、そこのところのCGによる表現がどんな具合なのかとても気になるのですよ。でも、現時点でこれを観るのはちょっと難しいかも知れません。
更に蛇足ながら、常々考えていたのですが、例えばコミック版『のだめカンタービレ』を描いている二ノ宮知子が、あの作品の中で「音楽」を画によって見事に描写し得ているのも実は大変なことなわけですよ。この映画を観ていて、そんなことをつらつらと考えていました。
と、云う事で。