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【白山人類学研究会】10月定例会のお知らせが来ています。ふるってご参加下さい。

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10月定例研究会のお知らせです。
下記の通り開催いたしますので、どうぞご参加ください。

安東地方は韓国でも儒教文化がもっともよく残っているところと言われます。それは別の観点からは、一番保守的な地方とも称されます。韓国も少子化が著しいのですが、講師・金美榮氏により、以前、少子化過程における男児選好の傾向、産児の性別調整の実態が報告されたことがあります。男系をつなぐために男児を選んだのですが、いざ結婚の段になると結婚相手となる女性が少なくなりました。そして今、子孫をつなぐために、国際結婚の事例が増えて来ている様です。内陸部の、もっとも保守的と言われてきた地方で、国際結婚を通じた異文化接触の様相がどのようであるか。同地方で仔細にフィールドワークを重ねている講師からその報告を聞くことができる機会です。韓国文化の奥で起こる変化を学ぶ機会としてご案内します。<東洋大学アジア文化研究所プロジェクト代表 松本誠一(東洋大学社会学部教授)>

●白山人類学研究会 10月例会

日時:2009年10月19日(月)18:10~20:00
場所:東洋大学白山校舎 5号館5302教室 (※いつもと異なる教室ですのでご注意ください)
(地下鉄東京メトロ南北線本駒込駅、または都営地下鉄三田線白山駅)

アジア文化研究所プロジェクト「境域アジアのトランスナショナル・コミュニティ―地域間比較研究の定礎に向けて」(松本誠一代表)と白山人類学研究会との共催

●発表題目:「国際結婚女性の適応様相についての考察」

●発表者:キム・ミヨン(金美榮) 博士(社会学。東洋大学)
   国立韓国国学振興院・責任研究委員
   同附属「韓国儒教文化博物館」展示企画室長

●発表者プロフィール:韓国の儒教文化中心地、安東出身。安東大学民俗学科、仁荷大学大学院修士課程、東洋大学大学院社会学研究科博士課程修了。博士課程在学中に高橋統一教授指導の下、鳥羽調査。韓国南海岸の中央部、サチョン(「サンズイに四」川)村落の社会人類学的調査を行い、学位論文とする。 韓国では日本の民俗学研究の紹介、日本社会文化の紹介に努めるとともに、韓国の民俗学・社会人類学的研究を展開。とくに、安東地方の同姓村落を対象とした悉皆調査は注目される。

著書(一部)
2002『日本の家と村の民俗』(韓国語)韓国:民俗苑
2004『儒教文化と女性』(韓国語)韓国:サルリム出版社
2008『家族と親族の民俗学』(韓国語)韓国:民俗苑
共著 2008『韓国の宗教と祖先祭祀』岩田書院

●要旨:本研究は国際結婚によって安東地域に定着した外国人女性たちが日常生活において適応していく過程を考察したものである。つまり、日常生活において外国人女性たちが経験する葛藤はなんであろうか、この葛藤をいかなる方法で乗り越えているのか、という問題を深層的に分析する予定である。
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と、云う事で。

昨日になりますが、フランス土産を手に白山人類学研究会へと出向いてきました。インドネシアのとあるイスラム系私立大学の設立から拡大期について叙述した「民族誌」のような感じのお話でした。カンパニー・エスノグラフィーというのもありますので、こういうのもありではないかと思います。

取り敢えず、知らない世界の知らない話が聞けたのはとても良かったですね。所謂イスラム国家におけるイスラム系大学のお話なわけですけれど、その複雑極まりない政治史とも相俟って、国家と宗教、国歌と教育、教育と宗教、といった大きな話に繋がる貴重なデータが提示された、ということになります。今後ともデータの積み上げに邁進していただきたいと思います。

気になるところもあり、ちょっとコメントしたのですけれど、要するに全体としてはやや「木を見て森を見ず」、という部分があるように思いました。専門家同士の話ならディテイルだけでも良いのでしょうけれど、専門の違うメンバも集まる会合ですので、少々大局的な話に繋げても良いのではないかと思うのですよ。その方が理解が得られやすいでしょうし、議論を深められたはずです。あくまでも学問なので、一般論になってはいけないんですけどね。その辺の塩梅が誠に難しいのですが。

と、云う事で。

白山人類学研究会からのお知らせが届いています。多分参加すると思います。皆様も是非に。以下、引用です。

白山人類学研究会関係各位

6月定例研究会のお知らせです。
下記の通り開催いたしますので、どうぞご参加ください。

●白山人類学研究会 6月例会

日時:6月15日(月)18時10分より
場所:東洋大学白山校舎5401教室
(地下鉄東京メトロ南北線本駒込駅、または都営地下鉄三田線白山駅)

●発表題目:『インドネシア高等教育の発展におけるイスラーム私立セクターの役割―1950年代~60年代のインドネシア・イスラーム大学(UII)とシュハダ・モスクに着目して―』

●発表者:中田有紀(東洋大学法学部企業法学科 助教) 

●要旨:インドネシアの高等教育の機会拡大には、私立セクターが重要な役割を果たしてきたことが指摘されてきた。しかし、私立セクターが果たした役割とは、教育機会の量的な拡大に限定されるものではない。高等教育の質の充実・発展の支えとなる役割も果たしてきたといえる。本発表では、インドネシアの高等教育の発展に、イスラーム私立セクターが果たしてきた役割について、1950年代~60年代におけるジョグジャカルタの私立インドネシア・イスラーム大学とシュハダ・モスクに焦点を当てて考察することを目的とする。政治・社会の変化に対応しながらも、個人や財団などのプライベートなイニシアティブは、高等教育の発展を支えてきたことを明らかにする。

週末の音楽練習ツアーで物凄く疲れていたんですが、白山まで出向いてきました(18日の話です。)。現在の東京はマスク姿がちらほら程度。私もしてません。それは兎も角といたしまして。

今回の発表は長年ヴェトナム研究をしてきて、この春学位を授与された方のものです。人類学の王道と言いますか、今では余り触れたがらない領域になってしまった感さえある親族論です。結構王道系の話が好きな私は、感銘を受けました。と、言いますか、研究というのはある意味王道系でないといけないと思ったりもするのです。先行研究がしっかりあるところで、そうしたものを新たな視座、データをもって乗り越える、というのが正しい姿ではないかと。大変勉強になった次第です。

なお、来週渡仏&コンクールということもあり、体調管理のためアルコールを自粛してます。歌い手にとっては身体が楽器ですからね。そんなわけで、本日は非礼を感じつつもとっとと帰らせていただきました。いずれまた機会を改めまして、ということに。

と、云う事で。

白山人類学研究会からのお知らせが届いています。お誘い合わせの上ご参加下さい。私も参加予定です。以下、引用します。

白山人類学研究会関係各位

5月定例研究会のお知らせです。
今回は3月に学位取得されました本多守さんの博士論文発表会として開催いたします。

●白山人類学研究会 5月例会

日時:5月18日(月)18時10分より
場所:東洋大学白山校舎5401教室
(地下鉄東京メトロ本駒込駅、または都営地下鉄白山駅)

●発表題目:『ヴェトナム・コホー族チル集団の社会構造とその変動過程』

●発表者:本多守(東洋大学アジア文化研究所客員研究員) 

●要旨:本発表対象のチル集団は、モンクメール語族に属するコホー族の中の焼畑耕作民で母系制社会を形成する。発表では、最初にチル社会の社会構造を示し、次にフランス占領後、現在に至る過程でチル社会が受けた外部の政治的経済的変化によって、変化する社会構造の変動過程を明らかにする。そしてその変動過程において婚姻連帯の変化に焦点を当て、リーチの姻戚関係に基づく社会構造理論と比較しながら新しい婚姻連帯拡大型モデルを提示する。 

※研究会後、近隣で懇親会を開催いたします。ご都合の付く方はぜひご出席ください。

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