白山人類学研究会の最近のブログ記事

白山人類学研究会からのお知らせが届いています。以下、引用です。

本年度第2回白山人類学研究会を下記の通り開催しますので、奮ってご参加ください。

日時:5月21日 18:10より

場所:東洋大学白山校舎5号館5101教室

演題:ベトナム・ラムドン省に居住する異民族間の通婚関係―その歴史と新たな通婚関係の成立―

発表者:本多 守氏(東洋大学大学院社会学研究科社会学専攻博士後期課程)

要旨:報告者の調査地であるラムドン省には、主に8民族(キン族、コホー族、マー族、ムノン族、チュルー族、ラグライ族、スティエン族、華人)が居住する。
 この8民族のうち、キン族、華人とマー族を除いては母系制社会を形成し、妻方居住を基本としている。一方、キン族、華人、マー族は父系制社会を形成し、夫方居住を基本とする。報告者はラムドン省に居住する少数民族マー族、コホー族≪チル集団≫の研究をしているが、その調査地では、この異なる社会を形成する成員同士の通婚がみられる。
 特に革命後に増えてきたのが支配民族であるキン族と妻方居住を原則とする母系制社会を形成する少数民族間の婚姻である。この婚姻には二つのケースがある。それは支配層で行政機関に所属する者同士の婚姻と、北から計画移民、あるいは自由移民で南部にきたキン族と婚姻するケースである。そしてこの場合、前者はキン族が女性でキン族と少数民族が同じ職場であり、後者はキン族が男性で貧しい土地なしの移民である。前者の場合は、母系制社会で婚出しなければならない男子が、キン族の女性を娶り独立するケースであり、さほど違和感はない。しかし、後者の場合は貧しい農村の多子の家庭に生まれた男子が、母系制社会の女性と結婚して妻方居住をするケースである。発表者は、これら異なる社会を形成する民族の成員同士の婚姻の歴史と成立要因を明らかにし、その影響を明らかにする。

白山人類学研究会からのお知らせが届いています。私はとてもじゃないけど参加できませんね…。

以下引用↓
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今年度第1回の白山人類学研究会を下記の通り開催いたします。

また発表と合わせ総会を開きますので会員の方は振るってご参加ください。

日時:4月23日月曜日 17時55分より総会(昨年度会計報告、及び9号印刷費用など)
              18時10分より研究発表
場所:東洋大学白山校舎 セミナー第二教室(開催場所変更の場合は現地貼り紙いたします)

演題:ドーズ法(1887)時代の先住民――チャールズ・アレクサンダー・イーストマン(1858-1939)(オヒエサ)による大地の記憶の継承

発表者:東洋大学社会学部教授 三石庸子 
要旨:イーストマンは、母方の祖父は白人であるが、サンティ(東という意味)・スー・インディアン(ダコタ)で、1862年のミネソタ・スー蜂起に加わり処刑されたと思われていた父が15歳の時に迎えにくるまで、逃亡先のカナダで伝統的な先住民の生活をしていた。その後父の要請で17年におよぶ教育を受けて、医者となった。当時のアメリカ社会でもっとも活躍した先住民の一人であったが、同化政策として悪名高いドーズ法を支持したなどの理由で批判され、80年代半ばまで先住民としての貢献を評価されることがなかった。イーストマンが平原インディアン最後の戦いの時期のアメリカ社会をどのように生きたのか、イーストマンが残した多くの著作の中から、ウーンデッド・ニーの虐殺(1890)など同時代を扱ったテクストを選び、その貢献を先住民文化伝統の中に位置づける。

主要文献 Charles Eastman, Old Indian Days (1907)
___________, From the Deep Woods to Civilization (1916)
___________, Indian Heroes & Great Chieftains (1918)

今年度第6回白山人類学研究会開催のお知らせが届いています。以下引用です。

団体会員、個人会員、過去に参加された方々、めっきり寒くなりましたがお元気でしょうか?さて下記の通り研究会を開催いたしますので奮ってご参加下さい。

日時:12月18日 月曜日 18時10分より

場所:東洋大学白山校舎 5304教室

演題: ベトナム・チル集団の葬礼と交換

発表者:本多守(東洋大学社会学研究科社会学専攻博士後期課程)

概要:発表者はベトナムに居住するモンクメール系のチルと呼ばれる、すでにキリスト教に改宗してから50余年経過した民族集団の葬礼を紹介し、その変容について報告する。まず変容とその要因を明らかにし、現在も変わらぬものを明示する。そして葬礼で行われる財の交換が、婚礼とは全くことなる性質のものであることを証し、さらに死亡から新たな婚姻『母方オジの足に従う』が生まれる可能性があることを示す。また、変わらないものと指摘した儀礼の機会が、同時に重要な財産分与の話し合いの機会であることを明らかにする。

今年度第4回の白山人類学研究会が下記の通り開催されるそうです。皆様ふるってご参加のほどよろしくお願いします。ちなみに、私も参加する可能性が高いです。

日時:10月16日 月曜日 18時10分より

場所:東洋大学白山校舎 5304教室

演題:文化は誰のものか ―中国湖南省における「女書」の伝承をめぐって―

発表者:丁育華氏(徳島大学大学院先端技術科学教育部博士課程)

概要:中国湖南省の西南部、広西壮族自治区に近い江永県の一部に、女性だけが読み書きできる文字「女書」が伝承されてきた。この文字はこの地の女性たちが創り出し、女性同士のコミュニケーションの手段として使われてきたものである。現在、生活文化としての女書は廃絶したが、研究者の指摘によりその文化的価値が再認識されるようになり、地方政府の地域開発計画などともあいまって、地域における女書の新しい形での「伝承」が復活しようとしている。
 本研究は、現代の「開発」という文脈の中、女書が開発に関わるさまざまな関与主体の相互作用の中で変容していく過程を解明しようとしている。さらに、伝承の主体である地域住民が開発計画の「かやの外」に置かれている文化開発現象を通し、「文化は誰のものか」について考察する。

お待たせしました。『白山人類学』第9号が刊行されました。今号は「末成道男教授退任記念号」と銘打たれ、290ページに及ぶヴォリュームとなっています。内容的には、東アジア(特に中国)の事例研究が大半を占めます。是非お求め下さい。

ちなみに、私の論文も掲載されています。「出羽三山信仰の祖霊供養的側面」というタイトルで、修験の山というイメージが定着した感のある出羽三山の、祖霊供養の場としての側面について論じています。ご一読下さると幸いです。

と、云う事で。

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