Franceの最近のブログ記事

久々の新シリーズ開始です。

さてさて、3年前のフロリレージュ国際合唱コンクール、2年前のユーロGPなどでの演奏がどうやら高く評価されたらしい関係で、私もそれらのツアー時に加わっていたヴォーカル・アンサンブル《EST》が南フランスでの「受賞者合唱祭」(Festival des Chœurs Lauréats )というものに招待されました。詳細は下記に。

ヴェゾン・ラ・ロメーヌ 受賞者合唱祭

まだ同サイトは準備中ですね。

でも、大体のスケジュールは出てまして、一応予定では7/22-8/1という旅程で南フランスに行くことになります。

さてさて、中身はと言いますと、プロヴァンス=アルプ=コート・ダジュール地域圏にあるヴェゾン・ラ・ロメーヌを含む4都市での割と規模の大きなコンサート、26-30日に行なわれるコーラスマスタークラスのモデル合唱団、そして小規模なコンサート、という大体3本仕立て。他にもありそうですけれど。演奏曲も勿論決まってますが、計60分位、になります。

現在在籍しているコーロ・カロスもかつて同じ合唱祭に招待されたことがあるわけですが、良いところらしいですね。練習のための往復や、仕事との兼ね合い等々、かなり大変ではあるのですが、何とか都合を付けて、はせ参じることになります。

そうですねー、一応、GWのTokyo Cantatではカロスの単独ステージが、そして5/18-19には新日フィルによるG.マーラーの『嘆きの歌』公演出演などなどがありまして、それまではこちらにかかり切りにはなれない状況。しかし、ツアーの規模が規模であることもありまして、4/8(日)からボチボチ練習に参加することにいたします。さすがに毎週は行けませんけどね。

そんなこんなで、次回は私の復帰1回目の練習について書きたいと思います。

と、云う事で。

去る3月9日(金)、すみだトリフォニーホールで行なわれておりました、新日本フィルによる「特別演奏会 すみだ平和祈念コンサート2012」に出演して参りました。

このコンサート、この時期に毎年行なわれているもので、要するに東京大空襲に合わせています。3月10日、ですね。周知の通り3月11日があの大震災の日ですから、併せて使者の冥福と一刻も早い復興を祈ろう、というコンセプトの元に行なわれた、ということになります。

曲はG.フォーレ作曲『レクイエムop.48』、です。指揮はジャン=クリストフ・スピノジ、ソリストはソプラノ:三宅理恵、バリトン:青山 貴という布陣。

さて、震災や空襲も大きな出来事ですが、昨年は家族に不幸がありまして、その意味でも非常に感慨深いレクイエム演奏となるだろう、と思っていたわけです。

しかしながら、1月24日に鎖骨を折った関係で事前練習には1度しか出られず。良く聴くけれど歌ったことのない曲ということもありまして、個人練習に相当な時間をかけ、ピアノ合わせやオケ合わせ、当日のG.P.には、かなりの集中力を持って臨みました。

コンサート直前にはややモティヴェーションを下げさせるような一幕もありましたが、スピノジ氏のこのコンサートにかける熱い思いが強烈に伝わってくる指揮っぷりに感じ入りつつ、祈りを込めて歌わせて頂きました。思いは届いたでしょうか。

次回本番は24日(土)の山本直純没後10周年記念コンサートとなります。代表作の一つである『田園・わが愛』を歌います。詩は尊敬して止まない詩人にして歌人の寺山修司によっています。何とぞご期待下さい。

と、云う事で。

去る3月4日(日)、益田市の島根県立いわみ芸術劇場大ホールで行なわれておりました、広島交響楽団第19回島根定期演奏会に出演して参りました。指揮はかの秋山和慶氏、でした。

何だかんだで、ケガをおしての、2週にわたる第九出演です。飛行機とっちゃってましたからね。心配していた飛行機での往復もさほど問題なく、とは言え大変くたびれましたけれど。

そうですねー、今回はグラントワ合唱団+栗友会、という合唱団だったわけですが、これが非常に良い感じと言いますか。前週が前週なので比較しちゃうわけですけれど、うーん、良かったな、と。ちなみに広響の演奏もとても良かったです。

残念だったのは集客。ソリストもスーパーバリトンの福島明也さんを始めとして、実に素晴らしい面々だったんですけどね。そして、指揮は秋山和慶ですよ、秋山和慶!お天気の悪さが災いしましたかね~。

こんな生活をしているとケガはなかなか治りませんが(そういう問題じゃないって?)、次回出演はすぐ先。3/9にG.フォーレの『レクイエム』@すみだトリフォニーホールとなります。

と、云う事で。

驚異の定期演奏会から一日おいた12/5(月)、再び東京シンフォニエッタの出演するコンサートを聴きに、明治学院大学白金キャンパスまで出向いて参りました。題して、ジャン-ルイ・アゴベ 東京シンフォニエッタ ポートレートコンサート、です。

入場無料、でした。授業の一環みたいな感じですね。ちなみに作曲家であるアゴベさん、金曜日の四人組コンサートにも、土曜日のシンフォニエッタ定演にも来ておられました。私と行動パターンが近いですね(笑)。

今回の企画は、ゲストであるアゴベさんと、ホスト役で明学大芸術学科助教授だと思われる岡部真一郎氏とのトーク・セッションを前半に置き、後半はアゴベさんの曲を4曲演奏する、というものです。演奏が東京シンフォニエッタ、ということになります。

トーク・セッションでは、作曲家としての半生を語りつつ、曲を作るということがどういう作業であるのか、はたまたどういう発想で曲は出来ていくのか、といったことが語られました。

「現在は電子音楽から距離を置いている、そして身体行為としての音楽というものを追求しているんだ。でもコンピュータが音楽を作る上で今日ではある意味必要不可欠で、そこに様々な可能性があることも分かっているから、いずれはそこに戻るかも知れないけどね。」、なんていう話が面白かったです。

曲は3曲目を除いて日本初演です。1曲目は《レーベン(生命) チェロとピアノのための》(2009)。生命です。音楽技法における身体性を取り戻す、っていう戦略はこの曲辺りに顕著に出ているように思いました。2曲目は《スペクトル(幽霊) フルートと打楽器のための》(2008)。打楽器が凄まじかったです。レジ袋(笑)。

3曲目で我らが東京シンフォニエッタ指揮者・板倉康明氏がクラリネット奏者として登場。曲は《レゾンブル・ダンス(踊る影) 2本のクラリネットと残響ピアノのための》(2006)。板倉氏と、西澤春代氏に献呈された曲ですね。二人とも大変な奏者であることが良く分かりました。

4曲目は《エクリス(副木) 五重奏》(2007-2008)。これがこの日最大の編成。編成はヴァイオリン、チェロ、フルート、クラリネット、ピアノ、そして指揮者、です。ガッシリとした感じの曲ですね。小編成なのだけれど規模感は大きなものに感じられました。暗算の天才を主人公とするオペラを構想しているんだ、なんていう話をしていましたが、きっとこういう規模感を出すんじゃないかな~、などと想像しながら聴いていました。

さほど取っつきにくいタイプの作曲家ではなく、柔らかい手触りをした曲を書く人だな、と思いました。4曲しか聴いていないので何とも言えないのですが。いずれにしましても、非常に有意義な時間を過ごさせて頂きました。アゴベさんを始めとする関係者の皆様、ありがとうございました。

と、云う事で。

去る12/3(土)、東京文化会館小ホールで行なわれておりました、東京シンフォニエッタによる記念すべき第30回定期演奏会を聴いて参りました。以下、報告などを。

1年前の第28回定演=湯浅譲二特集が佐治敬三賞を受賞、そして今回は一柳慧特集です。何だか凄いですね。まあ、それはそれは凄かったんですが。

1曲目は一柳の提案により、彼が最も重要だと考えているらしい作曲家K.シュトックハウゼンの曲を取り上げていました。『ツァイトマッセ 5人の木管奏者のための』(1955-1956)です。うーん、複雑極まりない曲ですね。各パートのテンポ指示が物凄いことになっているらしく(そもそも一律じゃないっぽい)、5人のアンサンブルなのだけれど指揮者必須のようでした。五声部でどこまで複雑に出来るか、なんていう実験性も感じましたね。

2曲目からは全て一柳慧作品です。まずは『弦楽四重奏曲』(1956-1957)。上の曲とほぼ同時期ということになります。ベルクやシェーンベルク、あるいはヴェーベルン、更にはバルトークの弦楽四重奏曲をちょっと想起しました。4楽章構成で、比較的明瞭な音像を持った曲です。古典的な様式も踏まえつつ、その若き日において既に相当高度な飛躍も成し遂げていたことが良く分かる作品だと思います。

3曲目は一気に最近の曲に飛びます。『ビトウィーン・スペース・アンド・タイム 室内オーケストラのための』(2001)。空間と時間の間、です。間だらけですね(笑)。ここでようやく東京シンフォニエッタが勢揃い。50年間積み上げてきたもの、ということになりますね。随所に効果的な形で用いられているトランペットとホルンが私の中に非常に強烈な印象を残しました。

4曲目は再び小編成ものへと。『トリオ・インターリンク ヴァイオリン、ピアノ、打楽器のための』(1990)です。ピアノは一柳自身によっています。何とも感動的な光景でした。「インターリンク・フェスティヴァル」という一柳が立ち上げた音楽祭のために書かれた曲なのだそうですが、非常に良い曲だと思いました。

休憩を挟んでの5曲目は再び一柳自身のピアノを。『レゾナント・スペース クラリネットとピアノのための』(2007)です。ここでも「スペース」という語が用いられていることには注目すべきでしょう。非常にシンプルな小品ですが、随所に作曲家のセンスが光ります。演奏は比較的しやすいのではないか、と思いましたがどうなのでしょう。

そしてラスト。今回の目玉と言って良いでしょう委嘱作品。『交響曲第8番 ―リヴェレーション2011 室内オーケストラ版』(2011)です。一応4つのセクションからなっておりまして、それぞれ予兆、無常、祈り、再生、と題されています。一柳自身がプログラムに寄せた文章の中で語っていますが、2011年頭の、あの災害、そして事故が念頭にあったのだそうです。ここまで5曲聴いてきて、ある意味「一柳大回顧」、をしてきたことになるわけですが、恐らくはそれによって、この曲が、一柳の作曲家としての集大成的なものであることが強く感じられました。大変な作品であり、かつまた演奏も本当に見事なものでした。

以上です。

毎度のことながら、斬新なサウンドにびっくりさせられもし、そしてまた新鮮な感動を味わわせて頂いております。これからも、これはもう「孤高」と言って良いのかも知れない凄い演奏会をお願いします。まずは、フランス公演の成功を心より祈念しております。

と、云う事で。

1-5 6-10 11-15 16-20 21-25 26-30 31-35 36-40 41-45 46-50 51-55 56-60 61-65 66-70