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8日目(7/29)です。マスタークラス第4日目。

とはいえ、マスタークラスは午後というよりは夕方からですので、午前中はフリー。お買い物ができるタイミングはここくらいしかありませんので、町へと繰り出します。

Vaison_20120729_02.jpgヴェゾン-ラ-ロメーヌは人口6,000人弱の小さな町ですが、中心部はそれなりに充実しています。写真は商店街みたいなところ。土産物屋から日常雑貨屋、あるいはパン屋やカフェ等々、様々な店が軒を連ねております。

地元の方々が使うスーパーもありまして、ここは結構穴場。お菓子や食料品などにはイタリア製やドイツ製のものが結構ありますので、フランス製なことを確認しないといけませんが、それをチェックしつつ適当にお買い物。

Vaison_20120729_03.jpgマルセイユが近いこともありまして、石鹸屋は多々あります。写真はこの町では福を呼ぶというセミをかたどったオブジェ。セミの形の石鹸も多々売られておりました。そうなんですよね。ついて早々から結構セミが鳴いておりまして、それが日本のセミとは結構違う低音で興味をそそられていたのでした。

宿に戻って昼食をとり、例によってベースは集まって練習。演奏クォリティを少しでも上げたい、という一心です。

15:30から3時間、そして夕食後の1時間ほどマスタークラス、でした。翌日が演奏会ですので、全曲をかなり細かく練習。もう前に立たせてもらえない人が何人かいましたね。なかなか厳しいです。ラテン語のドイツ語読みを徹底させようとしていましたが、まだ付いてきていない団員多数、な感じでした。結局最後までうまくいかなかったんですが、もっと集中してほしかったな。

指導の中でエルダイ先生は、音楽の構造をとらえること、理解させることがとても大事なんだ、と力説しておられました。当たり前のことではありますが、突き詰めるのはかなり困難なことでもあります。

夜には曲順と振る人も決定し、いよいよ最終日へと突入します。

と、云う事で。

早いものでもう7日目です。前日にコンサートが終わり、軽く打ち上げがあって宿に戻ったのは1時とかそのくらい。同室にこの朝帰る人もいますんで結構落ち着きません。で、帰りの飛行機はマルセイユ10:20発ですから、ヴェゾン6:00発、くらいな予定でした。

さすがに二度と会えない可能性のある人もおりますんで、当然お見送りです。しかし、待てども待てどもバス来ません。お世話役のマドレーヌさんも右往左往。状況が分かりません。

どうやら、運転手さんは10:20に宿舎発だと思っていたらしい。しかし、間違いだと分かっても来てくれない。仕方がないので運転手さんを束ねているマネージャのような人が自らバスを運転することになったらしい。間に合うのか?、というタイミングでしたが、ぶっ飛ばせば1:20くらいで着くらしく、結局出発は7:30過ぎてましたがかろうじて間に合ったそうです。最悪の事態も想定してしまってましたが、よかったよかった、です。

朝食の後は、前日までの疲れも取れておらず、そしてまた朝のすったもんだでくたびれ果てましたので、部屋でダラダラ過ごしました。そんな中、若干『ドイツ・レクイエム』の譜読みもしました。

ランチをとって、14:00くらいからパートで練習。基本"Ave Maria"ですね。もう大丈夫だろう、ってくらいにはなりました。

15:30からマスタークラスを割とびっちり3時間。昨日コンサート前ということで省いた、"Ave Maria"、"Ave Maris Stella"、"Psalm117"(要するに消耗が激しい、ということです。)の3曲のうちのどれかを、各受講生が与えられた20分くらいの時間の中で我々に稽古を付ける、ということをしました。

一人一人の力量が分かってくることで、エルダイ先生の指導も少しずつ変化していきます。受講生はかなり素人っぽい方から、オケを振っているプロっぽい方までといったように千差万別。そんな多士済済なメンバに、本当に分かりやすく、合唱団とどのように協力関係を築いて、音楽を作り上げていったら良いのかを、自らも歌い、ピアノを弾きながら示していきます。まことにブラーヴォですね。

Vaison_20120728_02.jpg夕食後は30分ほどのベース練習の後、初めてといって良いヴェゾン観光。来た時から目立ちに目立っていたランドマークである、古城へと向かいます。写真の時点で21:18。まだまだ明るいですね。

この城、トゥルーズ伯が建てたものといいますから、相当古いと思われます。中世の一時期にこの地方で繰り広げられた、アルビジョワ十字軍によるカタリ派弾圧というフランスが抱え込む負の歴史を、垣間見る思いでした。

Vaison_20120728_03.jpgドラクエの世界に迷い込んだかのような旧市街を散策し、カフェというかクレプリー(クレープ屋)に入ってシードルを少々。クレープも少々頂きましたが、とてもおいしかったですね。あんまりくどくないです。非常に上品な仕上がり。そう言えば3年前にトゥールでも食べましたね。

そんな感じでこの日は割とまったりと終了。そんなひと時もつかの間、翌日は、ファイナル・コンサートへ向けての最後の仕上げにと邁進することになります。

と、云う事で。

6日目(7/27)です。ほぼ中日。

この日は午前中に、指揮法マスタークラスを2.5hほど、そして夜には21:00からフル・メンバでの第4回目にして最後のコンサート、という流れになります。コンサートの場所はヴェゾン‐ラ‐ロメーヌの大聖堂。昨日エストニアの皆さんによる合唱を聴いたところですね。

まあ、きついスケジュールです。マスタークラスでは、遅れてきた2名が最初に8分ずつ与えられて練習を付けました。後の時間は、一人15分くらいずつ6人ほどによる練習。指揮法についてのチェックも適宜行ないますが、それ以上に重要なのは、合唱団への説明です。自分がその曲をどう演奏したいか、ということを適切な言葉でキチンと伝える。そして、何かがうまくいっていない時に、ではこうしてみましょう、ということを具体的に示す。そういったようなことを、サンプルの7曲を通じて、丁寧に、そして無駄なく伝えていきます。勉強になりましたね。これがまだ3日間続くんだな、と。

Vaison_20120727_01.jpg昼食前に小一時間、今回招かれている3団体、すなわちエストニアのCollegium Musicaleと、英国のThe Songmen、そして我々による交流会が、宿泊している施設の中庭で行なわれました。写真はその模様。ちなみに、3団体とも、1曲ずつ披露しました。

ランチの後、大聖堂が結婚式であかない、という良く分からない事態なため、大聖堂の隣にある小学校に移動して2hほど練習。いやー、時間ないなー、でも歌いすぎかもなー、という感じでした。

大聖堂がかろうじて17時くらいにあきまして、ここで場当たりを中心とした練習を。結婚式でもオルガン使ってたようで、今回初めてこれを使えることに。オルガンの調整が行なわれる中でフォーレをさらいましたが、なんとなくかえって調子壊した気も。

Vaison_20120727_02.jpg18時くらいから洪水モニュメント公園でマルセイユ駐在の領事さんに表敬、なんていう企画が入ったもので、小アンサンブル以外のメンバはこれに赴きました。ご飯前ですが、食べ物も少々出ました。

19:00くらいにはお開きで、少人数アンサンブルの皆さんをピックアップして宿舎へ。夕食です。サーモンだかトラウトだかのプロヴァンス風かな。これは旨かった。というか、本番2時間前にこんなに食べて良いのだろうかというくらい食べました。ま、良いんでしょう(笑)。

そして食後の休憩をとる間もなく、再び会場へと向かいます。既に3回の本番を経ていますが、なかなかその経験を活かしにくいといいますか、響きや、舞台の形、あるいは照明等々といった条件が全く異なる中でのリハ不足な演奏というのはやはりキツイな、と思いました。毎回おおざっぱでも良いので通し稽古ができたら良かったのにな、と思いました。

Vaison_20120727_03.jpg演奏自体にはやや不満が残りましたが、取りあえずの中締め、という感じになりました。これが最後の本番だった団員もおりますし、私自身も今後たぶん歌うことはないだろう曲もあるわけでして、それなりな時間苦楽をともにし、また各曲の練習には相当な時間をかけてきましたから、感慨深いものもあったのです。そんな気分をちょっと感じさせる写真を付しておきましょう。

終演後は、大聖堂の横にある遺跡のようなところで打ち上げ。遺跡としか思えない石の箱から食料や飲み物が出て参ります。あたりには遺物っぽいものがゴロゴロ転がっているし(笑)。

そんな、何とも変わったテイストの打ち上げでしたが、実は翌朝出発のコンサートのみ参加な方々とのお別れ会でもあったのでした。居残り組は、翌日から、指揮法マスタークラスに集中です。

と、云う事で。

5日目(7/26)です。ちなみに本人はすでに日本に帰ってきています。

Vaison_20120726_02.jpgそれは兎も角、と。この日は演奏会がありませんので、そこそこ暇、には全くなりませんでした。午前中は、やるのかやらないのか良く分からず、結局この日から始まる指揮法マスタークラスで、初見状態の合唱団をどう指導するか、を見るためのサンプルとして使われるということが判明したF.リストの"Ave Maria"を、一応歌えるようにしておこう、という練習をしました。まあ、初見だとちょっと厳しい曲ですね。後でさらに面倒なことが発覚しますが。

それも置くとしまして、午後の14-16時の2時間は指揮法マスタークラス第1回。何をするのかも良く分からないで来ていたわけですが、要するに6か国から集まった9人の受講生がおりまして、順々に我々に稽古を付ける、と。その稽古の仕方について、ハンガリーの合唱指導者P.エルダイ氏(Peter Erdei。ドイツ語読みで良いみたいです。)が色々質問したり、コメントしたりする、というような流れになります。ちなみに写真は全体練習やマスタークラスが行なわれていた部屋の様子です。

扱われる曲はリストを入れても7曲しかありませんので、2名ないし3名が脱落し、最終的に行なわれるコンサートで我々の指揮をすることができなくなる、というふるい分けがこれから4日間で行なわれていくことになります。厳しいですね。

この日の段階では2名が到着しておりませんでしたので、7人が各々8分の時間を貰いまして、好きな曲の指導を付けました。

実はこの段階で1名脱落し、2度と立たせて貰えない、という厳しさでした。その1名ですが、基本的に英語が話せない、という致命的な問題があったようです。

そうですね~。レッスンは基本英語。例えばフランス語から英語への同時通訳が付けられるような予算的余裕はありませんので、受講生は英語必須、ということになります。それを言えば、モデル合唱団である我々だってそうなんですけどね。

ちなみに、エルダイ先生の英語は非常に聞き取りやすく、そしてまたその中身も大変濃いものでした。見習わないといけませんね。

そんなことが分かって来て、この日のマスタークラスは終了。

ちょっと時間ができたので、町のスーパーへ買い物などへと赴きます。

Vaison_20120726_03.jpg戻って夕飯を食べ、その後は明日コンサートをすることになるヴェゾンの大聖堂で、エストニアの合唱団Collegium Musicaleのコンサートを拝聴。ルネサンスものから、J.S.バッハ、あるいはまたA.ペルトやV.トルミス(二人ともエストニア人)、O.メシアンといった現代曲まで、たっぷりな内容でした。

昨年ゴリツィアのコンクールでグランプリを受賞ということですが、本当に実力のある合唱団だと思います。ちょっとどころではなく感動しましたので、その場でアルヴォ.ペルトとペルト.ウースベルグという「Wペルト」のみによって構成された今年6月のライヴCDを購入しました。

と、云う事で。

4日目です。この日は第3回目のコンサート。そろそろ疲労もピーク、な感じですが、そうも言っていられません。

やはり2時間くらいはかかるヴァランス(Valance)という町でのコンサートになります。開始が早いので、昼過ぎにはとっとと出ます。午前中にパート練習少々と、全体練習を。ちょっと風邪っぽい感じなのですが(アレルギーかも知れませんが)、前でフランス語の発音再確認などもやりました。まあ、なかなか直らないんですが...。フランスに来れば直ると思ってたんですけどね。そういうもんでもないですね。

vaison_20120725_01.jpg午後イチで出発して、暑い最中に到着市街地なので、バスを停めるのが難しかったようですね。会場となる教会は、大聖堂(カテドラル)とは言っていますがそこまで大きくはありません。外観はこんな感じ。

大規模なイヴェント、という扱いのようで、現地スタッフがちゃんとTシャツ作っていたり、そもそもスタッフが沢山いたり、と、ここでも、本当にありがたいな、と思いました。

本番の演奏はちょっと集中力が足りないように感じられましたが、お客さんの反応はやはり大変暖かいものでした。厳しいコンディション、疲労、現地リハーサル不足等、要因は色々ありますが、これを糧にしていかないといけません。

18:30過ぎのスタートでしたので、終了は21:00前。着替えに使った建物でオードブル系の食事を頂きまして、帰途につきました。まあ、色々ありまして、早くは帰り着けませんでしたね。結局0:30、と。翌日は本番無いんで、ちょっと気が楽ではありましたが。

と、云う事で。

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