「民間巫女と村落祭祀−宮城県唐桑町の事例から見た巫女の公的性格−」『東洋大学大学院社会学研究科紀要』第32集、1996
この論文は唐桑町の小鯖地区と中井地区を事例として、同町に住む巫女と村落社会との関わりを各種祭祀への関与を中心に記述・考察したものである。日本の巫俗研究ではこれまでどちらかといえばシャーマンの私的性格が重視されてきたが、この論文ではこれまで見過ごされがちであったシャーマンの公的性格について再検討することを意図した。そして、同町の巫女は村落単位の祭祀に関与することから、公的性格を持つといえるのである。