「東北日本のシャーマニズムに関する社会人類学的研究」『1996年度井上円了記念研究報告書』、1997
本報告書は1996年に受けていた井上円了記念研究助成に基づいて行われた山形県のシャーマニズム(巫俗)に関する研究をまとめたものである。ここでは庄内地方と最上・村山地方の巫俗には大きな変差が見られること、および海岸部(鶴岡市由良)においては、宮城県唐桑町に見られるような村落レベルの祭祀が数年前まで女性シャーマンによって執り行われていたことなどが述べられている。ちなみに山形県におけるフィールドワークについては、初年度ということもあって余りインテンスィヴなものではなく、社会構造論的な分析にまで持ち込むにはまだ時間を要しそうである。