「山形県内の巫俗調査中間報告 −「口寄せ巫女」の共同祭祀を中心に−」
白山人類学研究会第76回研究会、@東洋大学A.A研、1998年11月07日
これまでの東北日本の巫俗研究においては、「口寄せ巫女」は主として死霊の口寄せを行うものとされ、村落等の共同体による祭祀の司祭者となっている事例は等閑視されてきた観がある。今回は現在報告者が山形県内の「口寄せ巫女」の共同祭祀について行っている事例研究の中間報告を行った。同県内では、庄内地方及び最上地方において、「口寄せ巫女」による「共同祭祀」の実施が比較的顕著に見られる。同時にまた、その担い手が主として女性であること、祭祀対象や祭祀集団の形態にはかなりのバラツキがあることが指摘出来る。今後さらに精密な調査を行い、1999年10月には一区切りをつける予定である。