Rob Marshall監督作品 CHICAGO 2003.10(2002)
1920年代のタイトルの通りイリノイ州はシカゴの、主としてとある刑務所内を舞台としたミュージカル映画である。昨年の第75回アカデミー賞で監督賞、助演女優賞、衣装デザイン賞を受賞した確かに優れた作品で、一応お薦め出来る。音楽もなかなか良い。
元々はブロードウェイのミュージカルで、良くは知らないのだが監督のRob Marshallもその世界にいた模様。今回が彼の初監督映画ということになるのだが、取り敢えずは大変な才能の持ち主であることは否めない。
まあ、こっちが大元であるのだろうけれど、殺人を犯し収監されたいつかは舞台に立つことを夢見る女性(Renee Zellwegerが演じる。最初のeはアクサン付き。)が、敏腕弁護士(Richard Gereが演じる。あんまり歌や踊りのうまくないこの人、さりとてこの役柄を実に愉しんでいる感じで好印象。)を雇って展開する法廷劇という物語の基本構造や、ミュージカルという形式をとっているという点等々でLars von Trier監督の傑作Dancer in the Darkに酷似している点は一応述べておきたい。
最後に、結末の極めてシニカルな「ハッピイエンド」はアメリカ的と言うよりは英国的な感じさえするのだが、その辺りは現物をご覧頂ければお分かりになるかと思う。以上。(2004/03/05)