The Chemical Brothers COME WITH US
マンチェスター大学出身(なんと、中世史専攻だそうな…。)のTom RowlandsとEd Simonsという二人からなる世界最強のテクノ・ユニットThe Chemical Brothersの第4作。相変わらず、New OrderだのArt of Noiseだのへのリスペクトを律儀なまでに表明しつつも、独自のビート世界を構築・展開する姿は、誠に頼もしい限り。前作Surrenderはヴォーカル・アルバムの体裁に近い内容だったのだけれど、今回はところどころに肉声がちりばめられているとは言え、歌詞は大変短く、かつまたひたすらシンプルな繰り返しであって、全体的にはインストゥルメンタル・アルバムに近いような印象を受ける。なお、10曲目に収められた本アルバム中2曲しかないヴォーカルをメインに据えた楽曲の一つである‘THE TEST’には、あのthe verveの元フロント・マンRichard Ashcroftが当然ヴォーカルとして参加している。前作におけるOasisのNoel Gallagher、New OrderのBernard Sumnerに続く大胆かつ大変時宜にかなったとも言えるスペシャル・ゲスト起用は、既に彼等の持ち芸として定着してしまったようで、今後も何をやってくれるか本当に期待大なのだ、と述べて終わりにしよう。(2002/01/31)