京極夏彦著『どすこい(仮)』集英社、2000.2

A:太ってる。
B:誰が?
A:いや、誰、じゃなくてこの本『どすこい(仮)』が。厚さ約45mm。重量約720g。
B:そんなもん、普通測るかっ!!!
A:暇過ぎるんで、ついうっかり…。
B:うっかりするようなことかよ。どうでもいいけど、変梃な文体模倣は止めて早く本題に入れっ!!!
A:ところで、誰の文体模倣だか分かる?
B:そ、そりゃ、某文化人類学者だろうけど…。
A:あの人も太ってるよね。ハハハ。
B:だから、早く本題にって…。
A:この本の中で一番長い『すべてがデブになる』は文体模倣が完璧ではないよね。
B:突然真面目になりやがる。で、何で?
A:森博嗣先生なら「モニター」なんて書き方しないよ。「モニタ」でしょ。コンピュータは「コンピュータ」になってるのに一貫性がないよね。
B:成る程。でも、この作品が一番面白かったな。
A:そう?確かにそうかも知れないけど、この作品中で一番笑えたのがしりあがり寿先生の4コマ漫画だった、なんて言うと、京極先生もショックかも知れないね。
B:そのくらいのことでは…。本書では自分のことについて「腰の引けた」なんて語ってるけどな。どこまで本当なのやら。何しろ、こんな本を平気で上梓する位なんだからなー。
A:「こんな本」はないんじゃない?楽しんだんでしょ?実際のところ。
B:まあね。言うならば、「こんな神をも恐れぬ本」といったところかな。
A:しかし、今まで<言葉>に偏執的なまでに拘ってきた京極先生が、書き下ろし部分『ウロボロスの基礎代謝』で「パネラー」なんて書いてるのを見ると、こっちもショックだな。
B:でも、これは某女性編集者の台詞という文脈なんだから、いいんじゃないの。暗に発話者の無知を示す、とかね。
A:それって、下手をすると性差別じゃないの。やっぱり京極先生らしくないよ。どうしちゃったんだろう。
B:ねえ、そろそろ止めない?
A:でも、まだ48行になってないよ。
B:変なところに拘るね。まあ、付き合うとして、それは、このエディタの一行あたり文字数が半角で80字だからでしょ?こうすれば…
A:なーんだ、そんだけのことか。しかし今の君の台詞、説明的過ぎるよ。それはいいけど、そもそも今使ってるネスケのヴァージョンが4.7ってのも気にくわないな。ver.48.0は無理としてもせめて…
B:くどいっ!!!(暗転)(2000/02/19)