Micheal Moore監督作品 Fahrenheit 9/11 2004.11(2004)
ご存知Micheal Mooreによる、反G.W.Bushドキュメンタリ。2001年9月11日のあのテロから数年間の国際情勢を追いながら、アメリカ合州国とその同盟国によって反テロ・キャンペーンとして開始されたはずだった戦いが、何故か対イラク共和国戦争になっていったことに疑義を表明しつつ、そこに潜む石油利権だの何だのを明らかにしようとしたもの。
正直なところ、何でこれが第57回のカンヌ映画祭で国際批評家連盟賞をとったのか良く分からない。ドキュメンタリとしての完成度は極めて低く、これがあの傑作Bowling for Columbineを作った同じ人物によるものとは信じがたい、といったところ。そもそもあの作品とはかけている時間や労力が違い過ぎるのだ。要するにこの作品、別にMicheal Mooreじゃなくても作れてしまうように思う。
まあ、余りニュースだの何だのを見ない人には、911テロからイラクでの不毛かつ不当な軍事力行使へという流れの「まとめ」という意味で見ておくのも良いかも知れない。昨年の大統領選挙を念頭に置いた反共和党ないし反Bushフィルムだ、ということを一旦棚上げしておけば、一応一通りのことは理解出来るようには作られている。知らない人には目からウロコなことも多々あるんじゃないだろうか。そんなところで。(2005/07/13)