脇田晴子著『女性芸能の源流 傀儡子・曲舞・白拍子』角川書店、2001.10
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本書は、日本中世史・日本女性史学者である脇田晴子が、中世の女性芸能者について誠に丹念かつコンパクトにその全体像をまとめた好著である。第1章から順番に「巫女(みこ)」、「傀儡女(くぐつめ)」、「遊女(あそびめ)」、「白拍子女(しらびょうしめ)」、「曲舞女(くせまいめ)」、「瞽女(ごぜ)」という具合に記述がなされていくのだが、正直申して私自身その区別が良く分かっていない女性宗教職能者・芸能者の中世における分類を一通り理解するには格好の書である。まあ、シャマニズム研究を、シャマン達の特に身体行為に着目しつつ更に深く掘り下げるにあたり、読まなければならない古典がこの世にはまだまだ山のように存在することを再認識させられ、やや打ちのめされた感も若干あったことを告白しておこう。以上。(2002/06/26)