京極夏彦著『妖怪小説 百鬼夜行 陰』講談社ノベルス、1999.7
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「京極堂=中禅寺秋彦」シリーズの外伝集。実は、個々の作品の登場人物の大部分が「こんな人、いたっけ?」というのがほとんどだった。うろ覚えはしているのだけれど、何しろ端役に近い人物ばかり。確かにそういう話があったな、位のところで、名前や細かいプロットまではいちいち覚えていない。かといって、今さらひっくり返して読み直す気にもならないのが本音。それぞれの作品も、『巷説 百物語』の諸作品に比べると、単体ではさほど完成度が高いとは思えず、要するに「正典」である上記シリーズを読んでいないと何が何だかさっぱり分からないのではないかとすら思われるのだけれど、そういうことからして、この作品集は、ほとんど、コレクターズ・アイテムに近いようにも思う。私個人としては、早く次回作『陰摩羅鬼の瑕』が読みたいところ。そのための習作なのかも知れないな。しかしそれでは余りに読者を…。(1999/10/28)