James Wan監督作品 SAW 2005.03(2004)
監督はこれがデビュウ作となる見た目からして中国系アメリカ人なのだろう、と思ったのだがマレーシア生まれの中国系オーストラリア人らしいジェイムズ・ワン(James Wan)。そうなのだけれど、付録のメイキング映像などを見ると分かるのだが基本的には主役の一人であり演出・脚本としてもクレジットされているやはりオーストラリア人のリー・ファンネル(Leigh Whannell。なんとあのThe Matrix Reloadedにも出演していたようです。)との共同作業によって出来上がった作品のようで、まあ兎に角良く出来ている。
鎖に繋がれた二人の男がどこだか分からないバス・ルームで目覚める、というシチュエーションはCUBEシリーズから拝借しているし、犯人像は明らかにあの金字塔的作品であるデイヴィッド・フィンチャー(David Fincher)監督のSeven辺りから、話の流れや扱われる小物群は同じフィンチャー監督のThe Game辺りから持ってきているのは明らかなのだけれど、模倣から時には優れたものが生じてしまうのは良くある事で、これもその一つの例。良くもまあこれだけおぞましい話を作り得たものだ、と感心するほどの気色悪さで、取り敢えず今日のサスペンス・ホラー/スリラーの到達点を示すものだろうとさえ思う。
なお、本作の成功で、同作品はPSP(PlayStation Portable)用に加工されて間もなく発売されるようだし、続編 SAW II も近々封切られるらしい。なのだけれど、実のところ、「とてもじゃないけど映画館で観る勇気はない」、という映画であることを述べておこう。それ位インパクトがある、ということです。以上。(2005/10/18)