久保田展弘監修『別冊太陽111 山の宗教 −修験道とは何か』平凡社、2000.10
平凡社が総力をもって刊行を続ける『別冊太陽』第111号は、ヴィジュアル情報満載の修験道特集。こういう、「写真主体」の編集方針が貫かれた本書のような出版物のあり方は、「実践の宗教」であり、かつまたそれこそ山岳修行で培った「験」を「見せる」ことが極めて重要な修験道の、誠に適切な紹介方法のひとつではないかと思う。なお、修行の現場は人に見せるものでは「ない」し、当然「なかった」と思うのだが、これも時代の流れなのだろう。ただ、私が山形県の羽黒山で「峰中」行をしていたときにも、NHKのスタッフが撮影のために入り込んでいたのだが、最も肝心のところには絶対に踏み込ませなかった、ということもついでに記しておきたい。(2001/12/06)