かれこれデビュウから10年近くになっている偉大なシンガー・ソング・ライタ(私はそう認識している。)、アヴリル・ラヴィーンによる通算4枚目のオリジナル・フル・アルバム。前作the best dumn thingは1回しか聴いていない、というのはホントの話で、実際のところ1600万枚売った1st以降、アルバムのクオリティはどんどん下がっているのは事実。今回、ちょっとは揺り戻しがあるのかな、と期待したのだが、うーん、微妙。曲の作り方がやっぱり軽過ぎる、というか、結局のところ作り込みが浅い、というか。2ndまでのあの完成度は一体何だったんだろう、と思う。異様に短いオープニング"Black Star"なんかは、「おっ!」と思わせる内容だけど、いかんせん短か過ぎ。2曲目"What The Hell"は全然ダメで(これ、シングル曲みたい。)、第3曲目"Push"などには往年の良さがあるけど、そこまで歌が上手くないせいか(決して下手じゃないけどね。)、ちょっと空回りな感じ。続く4曲目"Wish You Were Here"もアコースティックな路線なんだけど、ちょっとリズムトラックとかピアノとかが打ち込みっぽ過ぎる気がする。これなど、良く聴けば、コーラス部分のアレンジとかミキシングが良くないな、と思う。リコーディング・エンジニアが悪いのかな?5曲目"Smile "も同じ。ヒップホップっぽい展開は面白いと思うけど、やっぱりアレンジ等々が悪い。後は大体同じような感じなんだけれど、基本的にアコースティックな方向性を持ちつつ、誰にとっても聴きやすいポップスをやろう、という方針だったんだろう。3rdよりはかなりましな感じになっているのだが、1st、2ndには全く適わない、と思う。その要因は、きっと曲が多すぎることに表われているように(全13曲+アリスね。)、粗製濫造にあるんじゃないだろうか。次作は、良いコンポーザ、アレンジャ、エンジニア、そしてミュージシャンをキチッと揃えて、じっくり構成練って作って欲しい。ちなみに、アヴリルは2010年11月に正式に離婚しているが、先に挙げた第4曲のタイトルが"Wish You Were Here"、11曲目が"Darlin"、ラス曲が"Goodbye"ってのはね。ベタ過ぎてちょっと笑ってしまう。ラス曲なんかは割と悪くないんだけどね。アルバム・タイトルがそもそも笑えるんだな。そういえば。でも、私生活さらけ出し系はどうかと思いますよ。興味ないし。以上。(2011/07/07)
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