今年還暦を迎えたピーター・ガブリエルによるUp以来およそ8年振り新作は、キャリア初となるカヴァ集。しかも、キャリア初となるアコースティック・アルバム。バックはオーケストラ、ピアノ、弦楽アンサンブルのみによっている。まるでクラシック・アルバムみたい。カヴァされた楽曲は以下の通り。
1. Heroes (David Bowie)
2. The Boy In The Bubble (Paul Simon)
3. Mirrorball (Elbow)
4. Flume (Bon Iver)
5. Listening Wind (Talking Heads)
6. The Power Of The Heart (Lou Reed)
7. My Body Is A Cage (Arcade Fire)
8. The Book Of Love (The Magnetic Fields)
9. I Think It's Going To Rain Today (Randy Newman)
10. Apres Moi (Regina Spektor)
11. Philadelphia (Neil Young)
12. Street Spirit (Fade Out) (Radiohead)
各曲の説明はこちらが恐ろしく詳しいので是非見て頂きたい。アレンジに英国っぽさというか、端的にマイケル・ナイマン（Michael Nyman）ぽさを感じてしまうのだが、この辺り、ピーター自身の指向性なのか、あるいはプロデューサとして参加しているかつてアリス・クーパー（Alice Cooper）、あるいはThe KissやPink Floyd等を手がけたボブ・エズリン（Bob Ezrin）の力によるところが大きいのか、良く分からない。それは置くとして、このアルバム、要するに元々優れた楽曲群である原曲とはかけ離れたアレンジを持つ音源群なのだが、こうしてクラシカルに作り直されたものを聴くと、改めてどれもこれも良い曲だな、と思う。ピーターの完全主義と、企画力の賜とも言える非常に優れた作品である。以上。（2010/06/20）