EVANESCENCE The Open Door
確かに優れた作品であった2003年発表の1stアルバムFallenの売り上げ点数が現時点で1,400万を超えてしまっているという、アメリカが生んだ今日における最重要バンドの一つEVANESCENCEの3年振り2枚目のオリジナル・フル・アルバム。音楽構成上の支柱とも言える存在だったギタリストにしてソング・ライタのベン・ムーディ(Ben Moody)が脱退(失踪説もあるらしい。)してしまったのだけれど、そんなわけで今回はもう一人のフロント・パーソンだった稀代の女性ヴォーカルであるエイミー・リー(Amy Lee)の、歌唱力のみならず作詞作曲能力までもが試される一作となった次第。歌唱力について言えばさすがに長期間のツアーによる鍛錬というのはもろに「肥やし」となるらしく、確かに著しく向上しているように思う。でもって、肝心の楽曲構成なのだが、こちらについて言えば前作と同じデイヴ・フォートマン(Dave Fortman)をプロデューサとして起用しながらも、1stではかなり濃厚だったLINKIN PARKっぽさやあの当時のMUSEっぽさが消え、何やら同じような曲が並ぶやや平凡なもの。トータルで言えば、可もなく不可もなくといった感じのややセンチメンタルなヴォーカル・アルバムに仕上がったかな、という感じである。以上。(2006/10/16)