日本宗教学会第67回学術大会報告、@筑波大学、2008/09/14

三重県内の山の神信仰について
                ―鈴鹿市肥田町の事例を中心に―

本報告では、かねてから進めてきた日本の民俗宗教に関する研究の一環として、堀田吉雄の事例研究により夙に有名となった三重県内の山の神信仰につき、昨年来行なってきた鈴鹿市内の平野部稲作地域でのフィールドワークを元に、その変遷と現状を把握しつつ、若干の考察を加えた。

農業集落であった頃の住民内では少子高齢化が進む中、同じ町内の土地分譲が進むことで新たな住民が増え、彼らが地域の行事に積極的に参加するという条件の下で山の神の行事は一時の停滞を乗り越えて維持されていると言える。しかしながら、今後新住民の年齢が上がり、就学児童が減少することによって、再びこの行事が存続の危機にさらされることは目に見えており、地域住民がこれにどう対処していくのかが注目される。

なお、当日配布したレジュメはこちらにアップしているので参照されたい。以上。