Christopher Nolan監督作品 The Prestige 2008.01(2006)
あの傑作『メメント』『バットマン・ビギンズ』で知られる大変な才能を持つ映画作家クリストファー・ノーランが手がけた大作。19世紀末という時代設定の元、クリスティアン・ベイル(Christian Bale)とヒュー・ジャックマン(Hugh Jackman)が演じるライバル・マジシャン同士が繰り広げる骨肉の争いを描いていく。
巧みなプロット、見事な舞台構成と人物造形などなど、細部まで練り込まれた非常に良く出来た作品で、取り敢えず必見の映画である、としておきたい。加えて、大ベテランのマイケル・ケイン(Michael Caine)や新進スターであるスカーレット・ヨハンソン(Scarlett Johansson)、あるいはさりげなく出演しているデイヴィッド・ボウイ(David Bowie)等を脇役に配した絶妙なキャスティングも特筆に値するだろう。
しかしこの映画、兎に角オチが素晴らしい。これについては賛否両論あってしかるべきだと思うのだが、そこは計算尽くであろう。それはおくとして、余り引き合いに出されていないかも知れないが、個人的には京極夏彦の「巷説」シリーズを想起しながら鑑賞していた次第。何でそうなのかについてはご自身の目で確かめていただきたい。以上。(2008/02/16)