生誕125年 信時潔とその系譜、と。

去る11/23(勤労感謝の日、新嘗祭)に行なわれておりました、『生誕125年 信時潔とその系譜』というコンサートの第II部「声の系譜」にコーロ・カロスの一員として出演して参りました。簡単にご報告などを。(以下、基本的に敬称略)

このコンサートですが、洋楽文化史研究会が主催したもの、ということになります。この研究会についての詳しい説明は下記をご覧下さい。

洋楽文化史研究会

私なりの理解によるこのコンサートの趣旨は、信時潔(のぶとき・きよし)という、「海ゆかば」あるいは「沙羅」といった楽曲の作曲者として、私などよりもかなり上の世代の方々の記憶には間違いなく残っているはずの作曲家について、その作曲家としての生涯を各年代に書かれた作品によって振り返りつつ、更にはまた同時代、あるいはその系譜に連なる作曲家たちの作品群をも俯瞰し、両面から信時潔という作曲家の音楽史における位置づけを再確認しよう、ということになるのだと思います。

第I部は器楽曲。楽屋で聞くことができましたが、信時潔による曲と、その弟子である下總皖一(しもおさ・かんいち)のものが演奏されました。これを聞きつつ集中力を高めて第II部へと向かいます。

第II部は合唱曲を中心とするラインナップ。80分弱くらいの長さだったと思います。途中、各年代の信時潔・ミイ夫妻の台詞を混ぜ込み、ややシアターピースに近い構成をとりました。指揮は栗山文昭、ピアノは寺嶋陸也です。

全部で24曲演奏したわけですが、曲数もさることながら、一度も捌けられない構成でございまして、水分補給できなかったのが非常に辛かったですね。真ん中へんの、コンサート前にプレトークをして下さった大中恩・実行委員長の「わたりどり」あたりで、既に喉に違和感が。何とか最後まで歌いきりましたが、しばらく声はガラガラでした。

まあ、前週末の合宿から殆ど休み無く日々練習を重ねたりといった苦労に加え、そんなやや過酷な状況もありはしたのですが、雨の中詰めかけてくれたお客さんに何かを持ち帰って貰いたいという使命感みたいなものに促されまして、個人的には概ね納得のいく演奏ができたように思いました。

そんな、苦労したと同時に得るところも大きかった演奏会ですが、これを機に、信時潔、あるいは今日では顧みられることが非常に稀になってしまった感のある数多くの愛され、尊敬されるべき作曲家達に、再び目が向けられることを願ってやみません。

次回出演は年末恒例の「第九」演奏会となる予定です。

と、云う事で。