私設サイトの書籍紹介欄に、深緑野分による長編『スタッフロール』文庫版を追加しています。
第167回直木賞候補作になります。実写特撮からCGへの変遷の中でのクリエイタたちの生きざまなどが描かれますが、いわゆるヒューマン・ドラマ、ではほぼなく、テクノロジと人間の関係がメインなように、そしてテクノロジの部分への傾斜が結構大きいな、と感じられました。多分、選考委員が気にしたのはそこなんだろうな、と邪推します。
個人的には、テクノロジの話だけでも良いのですが。まあ、それだとドキュメンタリになってしまいますね。大宅賞狙えたかも(笑)。笑い事ではなく、本書にはそのくらいの情報量が含まれています。(でも読みやすいです。)
まあ、テクノロジとはいっても、今のところ作ったり使ったりはほぼ人間がやっているので、そういう意味では正真正銘のヒューマン・ドラマとも言えます。でも、きっとそうは読めなかったんだろう、そう読めというのが無理なのかも、と思ってしまうのですが...。
結局のところ、私はこの作品、非常に好きです。早くも今年のベスト1決定です。
と、云う事で。
私設サイトの書籍紹介欄に、松下龍之介によるサスペンス長編『一次元の挿し木』を追加しています。
宝島社がやっている『このミステリーがすごい!』大賞の文庫グランプリ受賞作です。大筋としてはDNAもののロマンス小説なんですが、読んでるうちに疑問点がたくさんでてきて、収拾がつかない感じになりました。
科学的あるいは技術的なところをきちんと書くとか、ロマンスのところをしっかり描くとか(こっちはややマシ)、その二つが屋台骨なはずなので妥協せずとことんやってほしかったと思います。
そこそこ楽しめる本とは思いますので、余り私の意見は気にせず、ぜひお読みになってください。
と、云う事で。
下記のコンサートに出演します。是非ご来場ください。
2024年度日本オペラ振興会オペラ歌手育成部『選科生アミーチコースアンサンブルコンサート』
日時:2025年3月2日(日)14:00~
場所:昭和音大北校舎5Fスタジオ・リリエ(小田急線新百合ヶ丘駅近く)
入場無料
2部構成で、オペラの重唱を10数組で演奏します。私は一番最初の登場で、G.ドニゼッティ作『愛の妙薬』から「20スクーディ!」という重唱をやります。他にも何曲か合唱で加わります。
と、云う事で。
出演情報です。プラム売り役で出演します。

演目:ジャコモ・プッチーニ『ラ・ボエーム』(1896)
/全4幕・イタリア語上演字幕付き
指揮:珠川秀夫
演出:直井研二
出演:弓田真理子、井ノ上了吏 他
合唱:すみだオペラ合唱団
管弦楽:すみだオペラ管弦楽団
日時:2025年4月26日(土)17:30~ 27(日)14:30~
場所:曳舟文化センター・ホール
※チケットご所望の方は、私か、「すみだオペラ」に問い合わせてください。
※ひそかに合唱にも混ざります。
と、云う事で。
昨日(2/11)になりますが、日本オペラ振興会選科の2024年度後期ソロ試験を受けてまいりました。気温高めで助かりました。
それはさておき、今回は、G.ドニゼッティ作『愛の妙薬』から「人知れぬ涙」を歌いました。
パワフル歌唱をテーマでやってきましたが、まだまだ全然パワー足りないなと思います。基本的にねちっこく、それでいて端正にキチンと歌いたいな、と思うんですが、難しいです...。いつの日か、こういう曲が得意になりたいものです。精進します。
と、云う事で。
私設サイトの書籍紹介欄に、冲方丁による長編サスペンス『アクティベイター』文庫版を追加しています。
国際サスペンス小説ですね。著者初かも?基本的にエンターテインメント作品として書かれているものながら、色々考えさせられます。壮大なスケールのお話で、登場人物や組織(国とか何とか機関とか)はかなり多いわけですが、細かいところまでていねいに作りこまれているな、と思いました。さすがです。是非、ご一読ください。
と、云う事で。
私設サイトの書籍紹介欄に、有栖川有栖によるシリーズ第3弾の短編集『濱地健三郎の呪(まじな)える事件簿』文庫版を追加しています。
コロナ禍真っただ中のころに書かれた計6本。心霊探偵・濱地健三郎とその助手・志摩ユリエの活躍が描かれます。ちなみに、カヴァのイラストはユリエが描いてる、という設定なんですが、中の人についてはあとがきにちゃんと書いてあります。是非、ご一読ください。
と、云う事で。
私設サイトの書籍紹介欄に、有栖川有栖による短編集『砂男』を追加しています。
文庫オリジナルです。火村英生もの、江神二郎もの、その他もろもろ。長いのも、短いのも、軽いのも、重いのもあります。本書の6本で、この作家の作風はおおむね網羅されているのかも知れないですね。改めて、偉大だと思います。是非、ご一読ください。
と、云う事で。
私設サイトの書籍紹介欄に、京極夏彦による歌舞伎原作『狐花(きつねばな) 葉不見冥府路行(はもみずにあのよのみちゆき)』文庫版を追加しています。
カヴァのデザインと装丁がなんとも素晴らしい1冊。歌舞伎っぽいフォントは使ってないのですが(基本明朝体)、イラストが秀逸。絵師、って感じですね。もちろんお話も大変面白いです。
こういうものを読むと、歌舞伎とオペラって似ているよな~、と思いますが、まあ似ていますね。発生時期も近いし、今日における舞台サイズを含めた公演規模も近い。歌舞伎の所作や声の出し方、はたまた美術や照明などを学ぶのも面白いかも知れません。著しく勉強になるのではなかろうか、と。
と、云う事で。
私設サイトの書籍紹介欄に、J.P.ホーガンによる『星を継ぐもの』シリーズ第5弾にして完結編『ミネルヴァ計画』を追加しています。
翻訳は内田昌之さんが行っています。原著は2005年に出ておりまして、今回初訳。シリーズをずっと訳していた池央耿(いけ・ひろあき)さんは去年亡くなっていて、邦訳が遅れた理由はこの辺にある、のかも知れません。
それはともかく、実際のところ大団円という感じではない完結編で、まあ一応円環は閉じてますがまだまだ先が書けた気もしますね。結構ご都合主義なところを笑いながら読んでたのですが、そういう茶目っ気というか、往年のハリウッド映画的でクラシカルなスペース・オペラ的なところも今から見ると楽しいです。
このシリーズ、SF史における金字塔の一つであることに異論のある人はいないと思うので、とりあえず読んでください。
と、云う事で。