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1月20日(金)、川口総合文化センター・リリア音楽ホールで行なわれていた、女声合唱団翠声会II組 第6回演奏会を聴いて参りました。以下、簡単に感想などを。

19:15開演ですので、間に合いません。武蔵野線に快速みたいなのがあれば何とか、でしたがそれも無し。1ステージ目聞き逃しました。

第2ステージはジギスムント・フォン・ノイコムによる『ミサ曲 ハ長調』。確かにハ長調ですね(笑)。19世紀前半の曲と思われるのですが、結構ポリフォニックだし、メリスマも随所に盛り込まれてます。しかもCredoも含むフルコース。ソロ2名と合唱の掛け合いまであります。大がかりですね。とても楽しかったです。ご苦労様でした。

第3ステージは寺嶋陸也編による、宮崎駿アニメ名曲集『さくらんぼの実る頃』から5曲。これ、難しいんですよね。ピアノも凄まじいし。まあ、そうではあるのですが、表情豊かに、ごくごく丁寧に歌われていたように思います。難しさもところどころで感じましたが、それはそれ、非常に感動的な演奏でした。

第4ステージはこの日のメイン・ディッシュ。詩・宮本益光/曲・信長貴富による委嘱初演曲『うたうたう』、です。言葉とメロディの関わり合いが何とも絶妙な情感を醸し出していました。信長氏、何度も書いてますがこのところホントに充実してますよね。そんな新たな作品を歌える喜びもひとしお、という感じで、実に輝かしい、そしてまた温かさに満ちあふれた演奏だと思いました。

そうですねぇ、お天気悪かったんですけど、それも何となく吹き飛んだような気分になる、さわやかで、しかも音楽的にも充分に深い、愉しい演奏会でした。ありがとうございました。

と、云う事で。

去る1月15日(日)、渋谷の大和田さくらホールで行なわれておりました、樹の会による合唱演奏会『音楽の夕べvol.3 三善晃とともに』を聴いて参りました。以下、簡単に感想などを。

指揮は全て藤井宏樹氏、です。演奏は各ステージ毎に異なります。で、計7ステージ、というヴォリュームです。しかも三善晃です。ふう、お腹一杯。

第1ステージは樹の会ユースクワイア~奏(かなみ)~による『やさしさは愛じゃない』。樹の会は若い人多いですね。ユースだけでこの人数なんだ~、と思いました。難しい音も随所に混じってますが、そつなくこなす、という感じのさわやかかつ端正な演奏でした。

第2ステージは女声アンサンブルJuriによる『動物詩集』。女声版ですね。低音かなり低いな、と思いました。大変です...。男声アルト入れてちょうど良い?それは兎も角、12人くらいで歌っていたように記憶していますが、あのホールならちょうど良い感じ。さすがに声量ありますね。表現も非常に濃い。個人的にはこの日のベスト・パフォーマンスでした。

第3ステージはNekko Male Choirによる『一人は賑やか』。男声合唱+ピアノ連弾です。こういうのを聴くにつけ、いやー、良い曲書くな~、と思うのですが、いかがでしょうか。演奏も曲の良さをうまく引き出していて、とても良かったと思います。

第4ステージは余りにも著名な『三つの抒情』女声版。演奏ははるかさん。愛すべき小曲集を、本当にいとおしそうにお歌いになられていました。そうですねー、こういう曲は次世紀にも受け継がれていかなければなりませんね。

第5ステージは、とか言ってこの辺でそろそろ疲れて来ていたのですが(すいません...)、Ensemble PVDによる『四季に』。記憶が薄い(笑)。さすがに樹の会の中核メンバですので、非常にきっちりとしたたたずまいの演奏でした。

第6ステージは山梨と東京に分かれて活動することになったゆうかさんによる『五柳五酒』。疲れもピークでした(すいません...)。前にもコロ・フェスタかどこかで聴いたように思うのですが、良く練り込まれた演奏だと思いました。何度聴いても面白い曲ですね。

第7ステージは全員集合+NHK水戸児童合唱団による大曲『波』。パワフルですね。昨年3月末に行なわれる予定だったものが、延期されたコンサートな訳ですけれど、そうですねぇ、ここで敢えて、という意を汲みたいと思います。本当に大きな犠牲が出ました。日本再スタート、そんなことを願わずにはいられません。

アンコールは2曲。『夕焼け小焼け』と『Over the Rainbow』。異様なまでに濃い曲ばかりを続けてきて、愛唱歌的なものでしめる。良いですね~。ちょっとホッとしました。まあ、三善晃なので一筋縄ではいかないのですが...。

そんなところです。

ちなみに、全体として、ホールのサイズとはちょっと合わない気がしましたが、こればかりはやむを得ませんね。本来タケミツメモリアルで行なわれる予定だったわけで。震災は色々なものを我々から奪っていったのです。

と、云う事で。

去る1/14(土)、すみだトリフォニーホールで行なわれておりました、千葉大学合唱団第70回定期演奏会を聞いて参りました。以下、簡単にご報告を。

さすがに冷え込んでましたが、大入りでした。開演は16時。仕込みに時間がかかるせいで土曜日でもこの時間になったものと思われます。

第1ステージはK.ペンデレツキの『ポーランド・レクイエム』から「アニュス・デイ」。著名な作品ですね。そして、非常に難しい。大変ではあったでしょうけれど、実に破綻のない演奏で、非常に良かったと思います。この曲は少々破綻気味でも良い、とかいうのもあるんですが、こういう端正さも貴重かと。磨けばもっと光る原石のような感じの演奏で、ある種頼もしささえ感じました。

第2ステージは学生指揮者M君の指揮による小林秀雄『混声合唱組曲 夢』。この曲、雑誌の付録、なのだそうです。殆ど知られていないらしく、勿論私も知りませんでした(笑)。何とも可愛い曲でして、みんな楽しそう。こういう形で演奏されたことで、新たに脚光を浴びるかも知れません。どうですかね。会場に小林秀雄さんもみえてましたが、感慨深かったんじゃないでしょうか。

第3ステージは、この日のメイン・ディッシュ。昨年私の入っているコーロ・カロスが委嘱初演した、『アシタ ノ キョウカ』再演です。

林光さん追悼、のような形になってしまいましたが、それは置くとしまして。いやー、取り敢えず、良くやったと言いますか、一人一人がキチンと演じる、歌う、動く、といったことをやっていて、本当に良く鍛錬されているな、と思いました。この曲、テクスト自体が基本的にとても難解です。なのですが、兎にも角にも自分達自身で分かるところまでをお客さんに伝える、という姿勢がにじみ出ていましたね。演劇においては、そういうことってとても大事ですよね。

まあ、全体として本当に良い舞台だったわけですが、とりわけカッパ役のTさんには脱帽。凄い才能だと思いました。これからもどんどん伸びていって欲しいものです。

そうですね~、この合唱団、全体として非常に良い流れが出来ているな、と思いました。パートリーダーや学生指揮者のような学生達とは普段から一緒に歌っているわけですが、彼等が引っ張っているんでしょうね。更なる進化を期待します。これからもがんばって下さい。

と、云う事で。

去る1/9(月・祝)、サントリーホールで行なわれておりました、『特別演奏会 みずほフィナンシャルグループ 成人の日コンサート2012 第23回』に出演して参りました。以下、簡単に報告などを。

今回も栗友会合唱団の一員としての参加です。割と人数少なめ。でも声は大きめかも、でした。

コンサート自体は二部構成で、前半の第1部にはヴァイオリニストの成田達輝さんによるJ.S.バッハのシャコンヌ演奏や、尾上菊之丞さんによる林英哲さんらの太鼓をバックにした舞踊が行なわれていた模様です。私は集中を切らさないため観ていませんがかなり良かったらしいですね。

第2部はW.A.モーツアルト作曲の歌劇『魔笛』抜粋演奏形式版。構成・台本はあの実相寺昭雄によるものです。実は2005年に二期会が実相寺演出による『魔笛』を初上演し、その後も再演がなされてきましたが、割と知る人ぞ知る演出。ちなみに実相寺さん自体は2006年に没。今回は怪獣こそ登場しないものの、演奏会形式からはかなりはみ出した、見た目にも楽しい舞台となっていたと思います。

我々の出番は第1幕と第2幕のそれぞれエンディング部。短いとは言いながら、ちょっとだけ演出付いてますし、暗譜ですし、ドイツ語ですし、テンポは非常に速いので、かなりの集中力を要求されました。お客さん一杯でしたし。良い経験になったと思います。

ちなみに指揮は大友直人さん。非常に分かりやすい棒でした。実は、今回特筆すべきは各ソリスト達で、夜の女王を歌った佐藤美枝子さんも結構焦りを感じたんじゃないか、とか(笑)。若い人たちの対等がめざましいですね。特に、ザラストロのジョン・ハオさん、パパゲーノの大沼徹さんは本当に素晴らしかったです。まさにはまり役、という感じでした。

以上です。次回本番は10日ほど後のレコーディングとなります。

と、云う事で。

去る1月7日(土)、宇都宮の栃木県総合文化センターで行なわれておりました、宇都宮大学混声合唱団第45回定演を観て参りました。以下、簡単にご報告などを。

宇都宮寒いですね。お昼に、というか遅いお昼に餃子などを食べ、二荒山神社にお参りしてから会場入りしました。

第1ステージはK.ニステットの『ミサ・ブレヴィス』より。ご存じの通り、かなり難しい曲です。合唱団のパフォーマンス的に、ちょっと厳しいかな、と思いました。もう少し声があれば、音程の悪さもカヴァ出来たかも知れません。現状そこが一番の課題でしょうか。

第2ステージも大変な曲。寺嶋陸也による『アポリネールの三つのシャンソン』。指揮は学生指揮者のK君でした。そうですねぇ。ニステットもそうなのですが、これなどは更に、もう少し様々な意味合いで「大人びて」から歌うべき曲なのでしょう。やっぱり表現がちょっと薄い。まあ、学生には背伸びさせる、という方向性は良く分かります。確かに、どこの大学合唱団も、明らかに大変と思える曲に挑んでます。まあ、それを言ったら高校生も、ですが。でも、敢えて挑むからにはもう少し何とかならなかったかな、とは思いました。言葉の捉え方、フレーズの作り方など、基本的なことからしっかりと、一つ一つ学んでいって欲しいと思います。

第3ステージは1/5に物故された林光作曲の合唱劇『なめとこ山の熊』。楽団として、フルート、パーカッション、ヴィオラ、ファゴットが入ります。これまたかなり難しい曲です。音楽的にはもう一歩の踏み込みが欲しかったですが、それでも舞台作品としての仕上がりについてはまずまずだと思いました。

原作は宮澤賢治。彼らしくとても仏教的な、まあ法華思想なんですけど、その辺が良く出ているお話だと思うのですが、何とも切ないですね。切ないだけではなくて、今日的な課題であるエコロジーにも繋がっています。そういう原作を元に、今となっては最早晩年に至っていた林光が(2010年初演です。)、精魂込めて作ったことが良く分かった次第。色々な意味で非常に重要な作品だと思います。

次にこの人たちの演奏を聴くのはいつになるのかな、と。謎ですね。マリスステラには近所ですけど行けません。となると一体?それは兎も角、日々の努力を怠らず、これからも精進して欲しいと思います。がんばって下さい。

と、云う事で。

新年明けましておめでとうございます。取り敢えず喪中なんですが一応ご挨拶。

さてさて、昨年はさんざん色んな公演その他に出ていたわけですが、その締めくくりにして今年の歌い初めを果たして参りました。その名も、『コンチェルタンテ・スーパー 宮川彬良vs新日本フィルハーモニー交響楽団 チョー年越しコンサート2011→2012』、です。

タイトルで大体分かると思うのですが、要は年越しコンサートです。ジルベスター、と言われているものですね。フルオケ付いてますが、基本クラシックじゃないからそういう命名にしなかったのかも知れません。場所はすみだトリフォニーホールで、時間は22時から翌日。そんな感じですね。

我々の出番はカウントダウン間近から年明けの時間帯。結構やること多いです。そこそこ練習もしました。

そうですねぇ、29日から始まったピアノリハ、オケリハが本当に楽しくて、これはどうなっちゃうんだ、と思っていたのですが、本番も本当に楽しかったですね。司会にピアノにと大活躍だった、宮川彬良さん、実にたいしたものだと思いました。

演奏曲は宮川さんのミュージカル作品などからとられたものや、ディズニー・メドレー、そして代表作である「マツケンサンバII」、といったところでした。大部分米良美一さんがリード・ヴォーカルをとっておられまして、「いやー、この人とまさかこんなところで共演なんて、1990年代初めにはどっかのバロックものの演奏会でいつか、とか思っていたのにまさかねー、マタイとかそういうのじゃなくてマツケンサンバか(笑)」、と独りごちていました。

そんな感じです。

大晦日から元旦未明にかけ、寒い夜でしたが、私自身も楽しく過ごせましたし、結構大入りだったお客様にも楽しんで頂けたのではないか、と思う次第です。ありがとうございました。

と、云う事で。

去る12/25(日)、前日のKuukaiによるステキな演奏会の余韻さめやらぬ中、王子の北とぴあにて栗友会合唱団によるプロムナードコンサート&RVEC2011が開催されました。ちなみに、RVEC=Ritsuyukai Vocal Ensemble Contestです。

去年はNYツアーなどもあったため開催されませんでしたので2年ぶり。13時から始まって、忘年会まで入れると21時くらいまでやってたんじゃないかな~。23日くらいからのコンサート聴き疲れ、なんてのもありますので、ちょっとどころではなくくたびれました。

さてさて、ピアノを弾く予定も無いではなかった私の出番は結局1回。コーロ・カロスによる林光作品4曲を連ねたシアターピースっぽいステージです。林先生が入院されて久しいわけですが、何とか容態が好転することを祈っての企画。山あり谷ありな、そして元気になれそうな気がする仕上がりだったと思うのですが、いかがだったでしょうか。

ソロや小アンサンブルで臨んだ皆さんも、あるいは栗友会を構成するどの団もその持ち味を発揮してましたね~。ちゃんと練習できてるところとできてないところの差はありありではあったのですが、皆さん忙しいですからね。これからも色々やりくりしてがんばっていきましょうね。

と、云う事で。

去るクリスマス・イヴの12/24(土)、トッパンホールで行なわれておりましたTokyo male choir Kuukaiによる第7回演奏を聴きに行って来ました。以下、簡単に報告などを。

そもそも何で出ないんだ、とか言われ続けてましたが、まあ、全く余裕ないです。申し訳ない。取り敢えず結構羨ましかったりもしました。でも無理でしたね。

そんな私事は兎も角、演奏会は本当に素晴らしかったというか、期待を遙かに超えるものでした。

第1ステージは信長編『コルシカ島の二つの歌』。女声版・混声版も含めて何度か聴いているわけですが、今回ようやく何をやっているか分かったというか(笑)。とても分かりやすい演奏でした。そうですね~、より深く分かるには一回歌ってみれば良いんでしょうけど、機会に恵まれていません。ESTでこれやっても良いよな、なんてちょっと思ったりする面白い曲です。

第2ステージは早くもメイン・ディッシュな感じのA.ピロ『三人の王のミサ』。オーボエ、コントラバス、オルガンが入ります.超大作ですね。クラシカルでもあり、何となくポピュラーな感じでもあり、な曲。クリスマスなテイストがふんだんに盛り込まれておりまして、まさに今宵に相応しい内容。選曲の妙に感じ入りましたが、演奏もとても良かったです。

第3ステージも何だか凄い内容。「私が選ぶ邦人合唱作品【男声編】」のアンケート上位5曲が演奏されました。順に、多田武彦「柳河」、清水脩「秋のピエロ」、磯部俶「遙かな友に」、三善晃「バトンタッチのうた」、多田武彦「雨」、です。まさに男声合唱の名曲てんこ盛りですね。この辺から皆さん暗譜でして、おー、って感じでした。

第4ステージは第2のメイン・ディッシュとも言うべき信長さんによる編曲委嘱初演曲『クリスマスなんて大嫌い!!なんちゃって♪』。最後にハートが入りますが、そんな文字はないので代わりに音符入れときます。このステージは徹底したエンターテインメント。ソロあり、振り付けあり、なステージでした。演出はしままなぶさん。楽器が7人という大編成にもサーヴィス精神がありありと現われていますね。

以上で終了、と思いきや、最後にもステキなプレゼントがありました。やりますね~。

ところで、このコンサート、入場料は前売りで1,500円だったんですけど、一体幾らかかったんでしょうね。あんまり聞きたくないですね(笑)。

いずれにしましても、ここまでやるのはかなり大変だったんじゃないかと思います。ご苦労様でした、そして、ありがとうございました。ホントに楽しかったです。

と、云う事で。

去る12/23(金・祝)に行なわれておりました、CANTUS ANIMAEによる第15回目のコンサートを聴いて参りました。以下、簡単にご報告などを。

場所は第一生命ホール、開演は14時、でした。このホール、最近しょっちゅう行ってますね(笑)。リハーサルとかそういうのも入れて、10月くらいから数えると6-7回目位じゃないでしょうか。まあ、それは良しとしまして。

コンサートは全部で3ステージ、全体的にフランスっぽい曲を扱ったコンサートです。指揮は勿論雨森文也さん、そしてピアノは平林知子さんです。

最初の曲は谷川俊太郎詩、松本望作曲による『天使のいる構図』。若手作曲家の中でも特に将来を嘱望されているんじゃないかと思う松本望さんですが、これもなかなか凄い曲。『クレーの絵本』を生み出した3人(クレー・谷川・三善)へのオマージュであり、そこから更に一歩踏み出そうというような意欲作で、非常に感動しました。しかし、演奏は大変ですね...。

第2ステージはF.マルタン『無伴奏二重合唱のためのミサ曲』。またまた大変な曲。40人くらいいますので、2群合唱でもさほど問題はありませんが、まあ、大変なことは大変です。そうですね~、人が少ないせいもあり、ちょっとバランスに問題はありました。中規模故、声部が増えることで、突出した声が目立ってしまうんです。難しいですね。でも、静かな熱演、というような演奏でした。

第3ステージは三善晃の言わずと知れた名曲『五つの童画』。最早古典、と言っても過言ではないでしょう。1968年の曲なんですよ。凄いですよね。若い人たちはどう聴くんだろう、なんてことをこの歳になるとたまに考えます。童画がヴィジョンとして浮かんでくるような、表現力に満ちた演奏だったと思います。

アンコールはG.フォーレの小品。実はこれが一番この合唱団に合っているんじゃないかなどと独りごちました。

まとめますと、寒空にはちょうど良い感じの、暖かくて、パワフルで、それでいて知的な味わいもある、良質のコンサートでした。感謝感謝。これからも、名前の通り生命力に満ちあふれた、そしてまた暖かみのあるサウンドを追求していって頂きたいものです。

と、云う事で。

去る12/16(金)、17(土)、18(日)の三日間にわたり、新日フィルによる『第九』特別演奏会 2011に出演して参りました。以下、簡単に報告などを。

今年のソリストは以下のような布陣です。

ソプラノ:秦茂子
アルト:井坂惠
テノール:吉田浩之
バリトン:大沼徹

そして、指揮者ははるばるロシアから来日したニコライ・アレクセーエフ氏。14日からオケ合わせがあったのですが、その指揮っぷりは非常に丁寧な印象。

ああ、ちなみに演奏曲はL.V.ベートーヴェンの『交響曲第9番 ニ短調 合唱付き』op.125、ですよ。当たり前ですが。

会場は16日と18日がすみだトリフォニーホール。17日がサントリーホール、でした。で、16日はある銀行による貸し切りコンサートでしたので、一般にはチケット販売無し、となりました。なお、一般公開が2回だったためか、チケットは両日とも完売だったそうです。素晴らしい!

さてさて、16日は仕事がはけてからになりましたので、ギリギリセーフ。この日は上のような事情で17、18日の前座であるJ.S.バッハの管弦楽組曲が演奏されないため、19時開演で即第九、だったのですよ。うーん、こういうパターンもありなのか、と反省しきり。

それでも何とか一番後ろの席まで声を飛ばすことを心がけつつ全日程終了。

18日には演奏終了後コーロ・カロスの練習と忘年会も入りました。何ともハードなスケジュールでしたね。まあ、常にこんな感じですが。いつになったら暇になるのやら、とか考える暇も無くなりそうです(笑)。

と、云う事で。

去る12月9日(金)、勝鬨の第一生命ホールで行なわれていた合唱団るふらんのコンサートに行って参りました。簡単にご報告などを。

この日は2回公演。昼夜なのですがさすがに昼は行けず。夜も19時15分開演だから最初からいられましたが、19時だったら正直厳しかったです。

演目は『女声のための合唱オペラ コエ・カラダI たびたびオトメ そして旅 ―Yに―』というもの。タイトル長いですね、と思ったのですが、要するに『たびたびオトメそして旅』、の部分が本題です。最初の方は説明で、後ろのは献辞、となるわけですね。

台本と演出は『アシタ ノ キョウカ』でお世話になった加藤直さん、そして曲は港大尋(みなと・おおひろ)さんという方です。当然のことながら委嘱初演。

合唱オペラなので、台詞はかなり多いです。台詞の合間にソロ歌唱含む歌が入るような具合。振り付けなどの動きもかなり凝ってます。で、演奏はピアノとコントラバスとパーカッションというトリオ。この3人が演奏しているのは全面的にジャズ。そして合唱パートはというとゴスペルとかロック・オペラに限りない近いものに思われました。テイストとしては全面的にクラシカルではなくポピュラーです。

事前にというかかなり早い段階に楽譜をチラ見させて貰っていたのですが、合唱譜にもコード進行が書かれてました。なるほどな~、です。そういうものに結構慣れ親しんできた人間なのであんまり違和感なかったですけどね。元々ロック・バンドとかやってましたし。

中身は『アシタ ノ キョウカ』のようなメタ文学っぽい難解系かつ変化球系ではなく(まあ、あれも言ってることはその実かなりの部分フェミニズムなんですけどね。)、結構ストレートな世のあり方に対する批判、なのだと解釈しました。世のあり方、というのは要するにこの世界におけるジェンダー構成のありようです。それを批評・批判している、ということはこの作品の根底にあるのは要するにフェミニズムなんですね。

それはそれとしまして、オトメと言えば川村邦光です。川村邦光はM.フーコーを下敷きにして日本近代における「オトメの歴史」を再構成し直しましたが、加藤直さんの批評スタイルは基本的に唯物史観=K.マルクスです。で、マルクス主義フェミニストの代表は何と言っても上野千鶴子さんです。つまりは、川村的な題材を、上野的な視座で切ってみた、というのがこの作品なのだと勝手に解釈しました。

ホントに勝手な解釈で済みません(笑)。まあ、職業柄なので許して下さいね。

そういう感想は感想として、この台本と曲を、直前まで物凄くバタバタしながらも、結局のところ、何とかこなした、というレヴェルじゃない凄い舞台にしてしまった、るふらんの皆さん、音楽監督で指揮者の栗山文昭先生、あるいは楽器奏者や演出家に振り付け師、そして照明や美術といった裏方さんたちの計り知れない力量には感銘を受けた次第です。ありがとうございました。

と、云う事で。

驚異の定期演奏会から一日おいた12/5(月)、再び東京シンフォニエッタの出演するコンサートを聴きに、明治学院大学白金キャンパスまで出向いて参りました。題して、ジャン-ルイ・アゴベ 東京シンフォニエッタ ポートレートコンサート、です。

入場無料、でした。授業の一環みたいな感じですね。ちなみに作曲家であるアゴベさん、金曜日の四人組コンサートにも、土曜日のシンフォニエッタ定演にも来ておられました。私と行動パターンが近いですね(笑)。

今回の企画は、ゲストであるアゴベさんと、ホスト役で明学大芸術学科助教授だと思われる岡部真一郎氏とのトーク・セッションを前半に置き、後半はアゴベさんの曲を4曲演奏する、というものです。演奏が東京シンフォニエッタ、ということになります。

トーク・セッションでは、作曲家としての半生を語りつつ、曲を作るということがどういう作業であるのか、はたまたどういう発想で曲は出来ていくのか、といったことが語られました。

「現在は電子音楽から距離を置いている、そして身体行為としての音楽というものを追求しているんだ。でもコンピュータが音楽を作る上で今日ではある意味必要不可欠で、そこに様々な可能性があることも分かっているから、いずれはそこに戻るかも知れないけどね。」、なんていう話が面白かったです。

曲は3曲目を除いて日本初演です。1曲目は《レーベン(生命) チェロとピアノのための》(2009)。生命です。音楽技法における身体性を取り戻す、っていう戦略はこの曲辺りに顕著に出ているように思いました。2曲目は《スペクトル(幽霊) フルートと打楽器のための》(2008)。打楽器が凄まじかったです。レジ袋(笑)。

3曲目で我らが東京シンフォニエッタ指揮者・板倉康明氏がクラリネット奏者として登場。曲は《レゾンブル・ダンス(踊る影) 2本のクラリネットと残響ピアノのための》(2006)。板倉氏と、西澤春代氏に献呈された曲ですね。二人とも大変な奏者であることが良く分かりました。

4曲目は《エクリス(副木) 五重奏》(2007-2008)。これがこの日最大の編成。編成はヴァイオリン、チェロ、フルート、クラリネット、ピアノ、そして指揮者、です。ガッシリとした感じの曲ですね。小編成なのだけれど規模感は大きなものに感じられました。暗算の天才を主人公とするオペラを構想しているんだ、なんていう話をしていましたが、きっとこういう規模感を出すんじゃないかな~、などと想像しながら聴いていました。

さほど取っつきにくいタイプの作曲家ではなく、柔らかい手触りをした曲を書く人だな、と思いました。4曲しか聴いていないので何とも言えないのですが。いずれにしましても、非常に有意義な時間を過ごさせて頂きました。アゴベさんを始めとする関係者の皆様、ありがとうございました。

と、云う事で。

去る12/3(土)、東京文化会館小ホールで行なわれておりました、東京シンフォニエッタによる記念すべき第30回定期演奏会を聴いて参りました。以下、報告などを。

1年前の第28回定演=湯浅譲二特集が佐治敬三賞を受賞、そして今回は一柳慧特集です。何だか凄いですね。まあ、それはそれは凄かったんですが。

1曲目は一柳の提案により、彼が最も重要だと考えているらしい作曲家K.シュトックハウゼンの曲を取り上げていました。『ツァイトマッセ 5人の木管奏者のための』(1955-1956)です。うーん、複雑極まりない曲ですね。各パートのテンポ指示が物凄いことになっているらしく(そもそも一律じゃないっぽい)、5人のアンサンブルなのだけれど指揮者必須のようでした。五声部でどこまで複雑に出来るか、なんていう実験性も感じましたね。

2曲目からは全て一柳慧作品です。まずは『弦楽四重奏曲』(1956-1957)。上の曲とほぼ同時期ということになります。ベルクやシェーンベルク、あるいはヴェーベルン、更にはバルトークの弦楽四重奏曲をちょっと想起しました。4楽章構成で、比較的明瞭な音像を持った曲です。古典的な様式も踏まえつつ、その若き日において既に相当高度な飛躍も成し遂げていたことが良く分かる作品だと思います。

3曲目は一気に最近の曲に飛びます。『ビトウィーン・スペース・アンド・タイム 室内オーケストラのための』(2001)。空間と時間の間、です。間だらけですね(笑)。ここでようやく東京シンフォニエッタが勢揃い。50年間積み上げてきたもの、ということになりますね。随所に効果的な形で用いられているトランペットとホルンが私の中に非常に強烈な印象を残しました。

4曲目は再び小編成ものへと。『トリオ・インターリンク ヴァイオリン、ピアノ、打楽器のための』(1990)です。ピアノは一柳自身によっています。何とも感動的な光景でした。「インターリンク・フェスティヴァル」という一柳が立ち上げた音楽祭のために書かれた曲なのだそうですが、非常に良い曲だと思いました。

休憩を挟んでの5曲目は再び一柳自身のピアノを。『レゾナント・スペース クラリネットとピアノのための』(2007)です。ここでも「スペース」という語が用いられていることには注目すべきでしょう。非常にシンプルな小品ですが、随所に作曲家のセンスが光ります。演奏は比較的しやすいのではないか、と思いましたがどうなのでしょう。

そしてラスト。今回の目玉と言って良いでしょう委嘱作品。『交響曲第8番 ―リヴェレーション2011 室内オーケストラ版』(2011)です。一応4つのセクションからなっておりまして、それぞれ予兆、無常、祈り、再生、と題されています。一柳自身がプログラムに寄せた文章の中で語っていますが、2011年頭の、あの災害、そして事故が念頭にあったのだそうです。ここまで5曲聴いてきて、ある意味「一柳大回顧」、をしてきたことになるわけですが、恐らくはそれによって、この曲が、一柳の作曲家としての集大成的なものであることが強く感じられました。大変な作品であり、かつまた演奏も本当に見事なものでした。

以上です。

毎度のことながら、斬新なサウンドにびっくりさせられもし、そしてまた新鮮な感動を味わわせて頂いております。これからも、これはもう「孤高」と言って良いのかも知れない凄い演奏会をお願いします。まずは、フランス公演の成功を心より祈念しております。

と、云う事で。

去る12月2日(金)、津田ホールで行なわれていた全音現代音楽シリーズ・その18『四人組とその仲間たち 室内楽コンサート 現代日本の作曲家《木管と樹齢》』を聴いて参りました。以下、簡単に報告などを。

四人組とは、池辺晋一郎、新実徳英、西村朗、金子仁美のことを指します。今回はこの方たちに若手作曲家である鶴見幸代さんの曲を加えての全5曲からなる演奏会となりました。ちなみに、全ての曲が初演、でした。

全曲、非常に編成の小さな楽曲群です。最初の鶴見作品《デプスレス》は音高の違うサキソフォン3名によるアンサンブル。ミニマリズム、ということになるのでしょう。3人が奏でる単純な音型が少しずつずれていって、ぶつかり合ったり離れていったりを繰り返します。面白いですね。

2曲目は金子さんの《時の層 IV ~透過・合成~》。今度はオーボエとクラリネットによるデュエット。この日の作品の中では最も難解、ではなかったでしょうか。短かく、たかだか2声部の曲ですが、中身は非常に濃いように思いました。

3曲目は新実さんの《サクソフォン・スパイラル》。2本のアルト・サックスのために書かれた曲で、2部構成。IがImpulse、IIがagonyと題されています。ここで著名なサックス奏者須川展也さんが登場。もう一人のサックス奏者新井靖志さんとともに、見事な演奏を繰り広げていました。

4曲目は西村さんの《水の影》。須川さんのアルト・サックス・ソロです。非常に素晴らしい。ちょっと背筋がゾクゾクしましたね。きっと技術的にはとんでもなく大変なんだろうけれど、すっと懐に落ちる演奏でした。取り敢えず個人的にはこの日のベスト・ステージです。

5曲目は池辺さんの《バイヴァランス VII》。これもサックス2名によるデュエット曲。再び須川さんと新井さんです。ここまでがここまでですので、非常に分かりやすい曲調に感じられてしまいました。良い曲、という印象でした。

そんなところです。この日から数日にわたって現代音楽を聴きまくるわけですが、以上、その第1夜の報告でした。

と、云う事で。

去る11月15日、勝鬨の第一生命ホールで行なわれました、日本音楽集団の第204回定期演奏会『トリトン・アーツ・ネットワーク創立10周年記念共催公演さらに響き合う明日へ ~栗山文昭氏を迎えて~』に出演して参りました。

詳しい情報は下記リンク先にありますので是非ご覧頂きたいと思います。

日本音楽集団の第204回定期演奏会

我々が加わったのは終盤2曲及びアンコール、でした。即ち、

三木稔作曲:くるだんど ~奄美の旋律によるカンタータ~(1963年)

川崎絵都夫:梁塵秘抄 ~歌謡のルーツを歌う~(委嘱初演)

と、アンコールの

寺嶋陸也:星のうつくしい村

です。

日本音楽集団とは、1964年創立の現代邦楽を主なレパートリィとする演奏団体です。さすがにプロフェッショナルな皆さんなので、技術は非常に高いと思いました。共演させて頂き本当にありがとうございました。

『くるだんど』は、5月に演奏した間宮芳生の『コンポジション』9番、14番と並んで、今年歌ったものの中でも非常に思い出深いものとなりそうな素晴らしい楽曲。個人的には、暗澹とした中に光を鋭く投げ込むような、そんな演奏を目指しましたが、いかがでしたでしょうか。

川崎絵都夫さんの曲は、とにかくダイナミクスと言葉のニュアンスにこだわりました。アンコール曲は非常に好きな曲ですので、2ヶ月ぶりに再演出来てとても嬉しかったです。今回の演奏は非常に安定してましたし。

そんなところです。普通に音楽活動をしていてもなかなかこういう機会はないわけで、非常に貴重な体験が出来た、そしてまた勉強になった、と思います。関係者の皆様、繰り返しになりますが、本当にありがとうございました。

と、云う事で