混声合唱団 空(くう) 第5回演奏会、と。

昨日(5/12)になりますが、混声合唱団 空(くう)の第5回演奏会を聴きに、代々木の通称「オリセン」小ホールまで出向いてまいりました。以下、雑感を。ちなみに、今回は全て敬称略で記述します。

計4ステージの構成ですが、最初と最後の計2ステージが湯浅譲二作品です。半分、ということになります。

オープニングを飾るのは「雲」。2012年にこの合唱団により委嘱初演された曲です。谷川俊太郎自薦による詞章を用いた一連の混声合唱曲は、これに続いて演奏された「歌  A Song」を含めて6曲になりました。残るは1曲、ということになるようです。つやのある、そしてまたバランスの非常に良い、みずみずしい演奏だったと思います。

第2ステージは湯浅の半世紀後くらいに生まれた若手作曲家・小出稚子による「入れ子 Nesting」。2011年発表の曲ですが、東混が委嘱初演してますね。口を用いた様々な音による、非常に実験的な作品です。緊張感に満ちた、そしてまた思わずクスリとさせられるような、そんな演奏でした。

休憩を挟んでの第3ステージは、松平頼暁による2007年発表の大作『Le Tombeau de Olga Brodsky オルガ・ブロスキーの墓』です。松井茂の詩からなるテクスト群に基づいて、数表の読み上げ、図形に基づいたグリッサンド唱法による合唱、英詩とその和訳の歌唱、という3パターンを組み合わせた、偶然性や一回性を持つシアターピース的な作品となっています。

実はこの日、松平による『第五の封印』という曲が初演される予定だったのですが、どうやら完成には至らなかった模様で(他の事情かも知れませんが。)、11月に持ち越されてしまいました。その代わりに、という感じでもってこられた作品でしたが、十分に堪能させていただきました。

掉尾を飾る第4ステージは湯浅譲二『問い』。1971年の作品です。代表作の一つですが、計6曲の、非常に多様なパターンを持つ、そしてまた大変演奏困難と思われる作品。言葉は谷川俊太郎によります。賛助出演メンバを含めて団員はサングラスを着けて登場。良く訓練された歌い手たちにより隙間なく作り上げられた、見事なステージだったと思います。この曲の持つ、40年を経ても全く古びることのない実験性と先見性には改めて驚嘆する他はありません。

アンコールはやはり湯浅譲二による「朝霞山」でした。この曲、福島県では末永く歌い継がれていくことでしょう。

さてさて、最後になりますが、実は来たる6月28日(金)、サントリーホール・ブルーローズで行なわれるThe Chorus Plusというコンサートに、この混声合唱団 空と栗友会合唱団が、出演することが決まっています。ちなみに、私も出演します。詳細は後日書き込むことになります。

と、云う事で。