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2010年5月21日

ブルガリアへの道:第25回 五日目(5/15)。

bulgaria_20100515_00.jpgこの連載もいよいよ大詰め。グランプリ当日です。写真はHotel Slaveyの窓から見た黒海。オーシャン・ヴュウです。ステキです。スペイン語で言うと、¡Qué rico é!でも、曇ってますね。翌朝の方がキレイでした。朝食は昨夜と同じくバイキング形式で、なかなか良いもの。外で食べてたんですが、他の食べ物を取りに行っている間にカモメとおぼしき鳥に卵焼きを奪われるという事件が発生しました。かなりワイルドな環境です。

朝食後はバスでヴァルナの街へと向かいます。バスの中で発声練習。落ち着かない、お互いの声が良く分からない、座った姿勢で、というのもどうかと思うのですけれど。やらないよりは良いかな、という感じです。到着後、10時から30分ほどステージ・リハーサルが出来ました。事前情報のデッドという話とは裏腹に案外良く響きます。普通に感じられます。お客さんが入るとどうなのかな、というところですけれど、それは後に分かります。立ち位置などを決定し、移動して最終練習開始。午前中の練習は三つ星の黒海ホテル
(Cherno More Hotel)。午後も同じです。ここの部屋もタバコ臭かったですね。まあ、窓を開けてましたし、体調も戻ってましたのでそんなに苦痛ではありませんでしたが。でも、こういうことも微妙に精度を狂わせていたかも知れません。

bulgaria_20100515_01.jpg昼食は昨日と同じマック。午後の練習を終え、一人一人が自分のペースで集中する時間を与えられました。グランプリは18時からですので、16時位にマックに入って0.99BGNバーガなどを。写真はその時の一こま。この時間帯、頭の中が"Mambo!"状態になってますのでどうしても口の形がそうなっちゃいます。本番に向けてのイメージ作りは結構徹底的にやってましたね。

そして18時からグランプリ開始。ラトヴィアの団体が辞退してますので、出場団体の国籍はスロヴェニア3、日本1です。演奏順は我々が3番目。荷物を置く部屋の近くで少々声出し。響きすぎるな~、と思ったんですが、一同基本的にデッドな会場仕様に頭を切り換えます。20分押しくらいで2団体目の最後の曲(シェーンベルクですね。)が終わりまして、いよいよ出番。演奏曲目は下記の通り。タイトルなどは適宜省略してます。

【序盤3曲】
Dolcissima mia vita : Carlo Gesualdo
Abendlied : Josef Rheinberger
Sanctus extrait de la Messe en sol majeur : Francis Poulenc

【中盤3曲】
LIRICHE AMOROSEより V. ...un bocciolo di loto è la mia bella, : 鈴木輝昭
LIRICHE AMOROSEより I. Mio dio, mio amato, : 鈴木輝昭
詞華抄より II. Eros d'etinaxe moi phrenas : 鈴木 輝昭

【終盤2曲】
合唱のためのコンポジション第10番「オンゴー・オーニ」より II : 間宮芳生
¡Qué rico é! : Guido López-Gavil´n

序盤3曲:ベース再右端にいるK氏の位置をちょっと気にしつつ演奏へ。第1声が凄く大事なので、最初から命掛けです。2小節くらい歌ったところで、お客さんが入るとかなりデッドになるんだな~、などと感じつつ、以下兎に角響きを前に集め続けることを心懸けます。思いの外緊張していませんで、おなか周りもしっかり使えてました。とは言え、さすがにグランプリ。重圧はかかります。そのため呼吸が普段よりはやや浅めになりますので、例えばAbendliedの長いフレーズではかなり頻繁なカンニングブレスでしのぐ他はありませんでしたけれど。でも序盤3曲はかなり良かったんじゃないでしょうか。ちなみに、録音を聴くと特にAbendliedでの母音の不揃いが気になりますが。

中盤3曲:序盤がかなりうまくいったように思えましたので、より自信のある中盤へと進みます。Dolcissimaは密集隊形、続く2曲はやや広がった隊形だったのを、LIRICHE Vで元に戻す予定、でした。でも、完全に元には戻りませんで、私の位置からだとソプラノのKさんが向井先生の前に立ちはだかりました。左右にスペースも無いので微調整も不可能。仕方なく、かろうじて見える左右の手を見ながら歌うことに。まあ、こういうことは想定内、です。続く2曲も含め、全体としては良い感じ。でも、LIRICHE Vと詞華抄はやはり怖い。この2曲、部分的にベースが薄くなったところがあります。これ、自覚してます。自分も含め、ベース系の響き、というか端的に音が時々消えてましたので。録音を聴くとさほどでもないんですが、中にいる立場からすれば確かに「もっとベース!」なんです。悔やまれるとするとこの2曲かな。この2曲、ホントに難しいんですけどね。練習のベスト歌唱通りには出来なかった2曲です。

終盤2曲:更に得意なラスト2曲へ。待ち時間を利用して密かに(でもないか。)振り付け復習をしてましたので、そこのところはバッチリです。何気に30分くらい歌い続けてますんで心身ともにそろそろ限界。最後の気力を振り絞り、¡Qué rico é!終盤で前の方にずんずん出て行きまして、でも案外横に広がっていなかったせいか練習の時のように一番前には出られず、そんな関係で最後の2小節はベースのS君に隠れて指揮者が見えませんでした。なので、足を後ろに踏み出すタイミングは確実に遅れていると思います。この辺、録画を見るときっと左の方を向いて右往左往してるんじゃないかな~。この部分、きっとYoutubeとかに載っちゃうんだろうな~、まあ仕方ないな~、などと思ってます。

bulgaria_20100515_02.jpgあー、やれやれ、終わった終わった、ってことで、しばし解放感に浸ります。外で記念撮影したり、ビールを飲んだり、です。ここへ来てようやく初ブルガリア・ビール。写真はビールが来るのを待つ間の一こま。500mlで3BGNですから、170円くらいかな。安いですね。Tokyo Cantatのクロージング・コンサート以来アルコール入れてませんので、うま~。たかだか10日間ですが。焼き鳥みたいな食べ物も美味しかったな。表彰式で歌うかも知れないから飲むなとか言われてたんですが、たったのジョッキ1杯だし。私に言わせれば、「それくらいで歌えないようではグランプリなんて到底無理だよ。」、なんですけどね。


bulgaria_20100515_03.jpg表彰式は21時30分から。May国際合唱コンクールの発表も兼ねてまして、和歌山ユースクワイアは同声部門で1位なしの2位らしい。後でこの人たちの演奏を生で聴くことになりますが、ムチャクチャ上手いんですけどね。こっちの総合優勝はイタリアの混声合唱団でした。

そしていよいよ今年のヨーロピアン・グランプリの発表。ちょっとだけどきどきしましたが、結局は下馬評の高かったスロヴェニアの男声合唱団Vokalna akademija Ljubljanaが受賞。2008年秋にどう考えても取り敢えずはヨーロピアン・グランプリのために結成されたとしか思えないこの団体、何回もグランプリに出ていると思しき指揮者(1回グランプリとってます。)、そしてそうした団体から選ばれた団員からなっておりまして、正直なところ、これはもう基礎体力が違いすぎる、そしてまた、経験の差がありすぎる、と思いました。

ただ、後で音源を聴いたんですが、拍手の量では間違いなくESTの方が上まわってまして、実のところプログラム構成など幾つかの点についてはESTの方が良かったんじゃないかな、とは思いました。Vokalna akademija Ljubljanaの演奏は、様式感、フレージング、声量、倍音の豊かさ、声の統一感、ピッチ等々において、確かに圧倒的に素晴らしいのですが、敢えて難点を挙げるとすれば、やや面白味に欠けるのです(ああ、ここを見ていたらごめんなさい。でもホントにそう思うんです。)。そうそう、要するに、「合唱コンクールみたい。」、なんです。まあ、コンクールには違いないんで、それで正しいのでしょうけれど。

取り敢えず、かなり悔しいのですけれど、数年後になされるはずの再挑戦に私は100%加われないと思いますんでESTの皆さんがんばって下さいね。まあ、予選通るのも大変ですけど。でも、やるべき事は一応見えたんじゃないかな、とは思いました。基本中の基本である発声・発音の一からの見直し、それらを踏まえた上でのしっかりした様式感の提示、が第1課題。全てはそこから始まるはずです。とか言いながら、これって実はとっても難しいんですが。恒例になりましたが、今回の遠征最大の教訓はこんな感じになりますね。

「様式を制するものが、世界を制する。」

なんのこっちゃ、ですが、分かる人には分かるはず(笑)。いつか、「俺たちは強い!」とか言ってみたいな(笑)。そうそう、「もっとベース!」ですよベースの皆さん(笑)。

と、云う事で。

投稿者 mackharry : 2010年5月21日 17:29

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