宇都宮合唱倶楽部第2回演奏会、と。

昨日になりますが、宇都宮合唱倶楽部の第2回演奏会を聴きに、西那須野駅から2キロほどのところにある那須野が原ハーモニーホールまで行って参りました。以下、各ステージごとに簡単な感想などを。

1.宇都宮室内合唱団ジンガメル
この春の合唱指揮者コンクールで1位に輝いた加藤拓氏を指揮者に据えた演奏です。曲目は寺嶋陸也「Vocalise-Etude II」、T.L.ヴィクトリア「O magnum mysterium」、J.ブラームス「Letztes Glück(op.104-3)」の3曲。少人数アンサンブルにより、繊細かつつややかな演奏がなされていました。ヴィクトリアはさすが、寺嶋曲の音程というかピッチは結構厳しいな、ブラームスはダイナミクスを出すのが難しいな、と思いました。

2.うつのみやレディースシンガーズ晶<AKIRA>
林芙美子の詩に、寺嶋陸也氏が曲を付けたものが演奏されました。ピアノは寺嶋氏。指揮は栗山先生です(以下同様)。ろくもんめコンサートでもやっていた「ひかり」、そして今回委嘱初演となる「きれいな神様」の2曲です。どちらも良い曲ですね。名演でした。この合唱団と寺嶋氏のコラボというのは結構重要で、これからも林芙美子詩で曲が作られていく模様。期待しましょう。

3.宇都宮おとこコーラス粋狂座
寺嶋陸也氏がK.ヴァイルの『三文オペラ』の歌部分を合唱組曲に編曲した『三文オペラ合唱組曲』全曲が演奏されました。面白いですね。加藤直による訳詞も非常に凄い。考えてみますと、林光・加藤直コンビの作品群というのは、この曲の原曲からインスパイアされてきたはずでして、歌うことと演じることの間、みたいなことを考えさせられました。

4.宇都宮合唱倶楽部
圧巻、という感じのステージでした。曲は、寺嶋陸也氏による『混声合唱とピアノのためのカンタータ 伊邪那岐・伊邪那美』。さすがに変換されないな(笑)。さりげなく那須の「那」が入ってますね。それは良いんですが、今年のTOKYO CANTATで第2章までが演奏され、今回更に2章が付け加えられました。かなりの長さなのですが全曲暗譜による合唱、具志幸大(ぐし・ゆきひろ)氏による琉球舞踊、団員の振り付け、照明などなど、全ての面で実に見事なステージだったと思います。楽曲も素晴らしく、寺嶋陸也氏の代表曲になりそうな予感も。知り合いの神道家に一度聴いて貰いたいな、と思いました。

そんな感じです。これだけ充実したコンサートだったのですが、場所が場所でしたのでお客さんが少なかったのが非常に残念でした。音の良いホールなのは間違いなのですけれど、首都圏からも、宇都宮からでさえアクセスは余り良くありません。ほとんど地域密着型の合唱団ではないところもあり、集客に関しては色々と課題がありそうです。

と、云う事で。