三多摩青年合唱団音楽会。

昨日になりますが、ルネこだいらで開催された三多摩青年合唱団音楽会を聴きに行ってきました。

上野での練習後でもあり、体調が優れない中での拝聴でしたので、余り集中出来なかったのですが、簡単に感想を。

この団体ですが、いわゆる「うたごえ運動」の流行の中で1963年に誕生した合唱団です。今回はそういう来歴を持つ合唱団が行なう「被爆・戦後65年特別企画音楽会」ということになります。

実は客演指揮者に栗山文昭先生、指揮とピアノに寺嶋陸也氏を迎えての演奏会でして、これは聴くしかない、というものですね。やや肌寒い週末でしたが、お客さんもたくさん入っていました。

以下、全4ステージの概括を。

1stではW.Byrd、W.Mozart、R.Shumann、G.Faure等による外国語の曲が扱われていました。外国語は苦手、なのかも知れません。次以降ののステージに比べると見劣り、というか聴き劣りがするのは確かなところ。また、唯一のアカペラ曲であるByrdはかなり厳しかったです。取り敢えず、良く歌われるシューマンの出来が一番良かったと思います。

2stは松下耕さんの『信じる』全曲。組曲版を委嘱したのがそもそもこの合唱団なんですね。なのでかなりの団員が暗譜してます。自分達で作り上げた、という自信に満ちた輝かしい演奏でした。何か、個々人の技術や歌唱力といったものを超えたものを出せる合唱団な気がしました。言葉へのアプローチが素晴らしいな、と。この曲はいずれ歌うことになるかも知れませんね。

3stは寺嶋陸也氏の編曲による宮崎アニメ曲集。これもこの合唱団の委嘱曲。ピアノが難しいんですね。この曲。で、ピアノと指揮は作った本人。まあ、物凄い安定感です。「トトロ」なんてかなりの超絶技巧系なんじゃないでしょうか。ああ、このステージは余り歌を聴いてませんでした。ピアノに圧倒されました。ついでに言いますと、何げに私、宮崎アニメはほとんど観てないのです。なので知らない曲ばかり。実際のところ、半分以下、じゃないかな?

4stはこの日のメイン・イヴェントだと思います。曲は寺嶋陸也氏による『ふるさとの風に』。これもこの合唱団の委嘱曲です。そうか、この演奏会は委嘱曲集、だったのか、と今頃気づいているし(笑)。最後の曲「骨のうたう」が今回の委嘱初演で、これは出版譜に載ってないはず。詩を書いた竹内浩三はフィリピンにて23歳で戦死しています。6曲目の「白い雲」という曲に「山田」という言葉が出てくるのですが、これは伊勢市のことです。宇治+山田=伊勢ですので。要するに、「ふるさと」というのは伊勢のことなんですね。重く、暗い曲ですが、栗山+寺嶋の凄まじいパワーが注入された、圧倒的に力のこもった演奏だったと思います。

以上です。簡潔にならないな(笑)。ちなみに、今日は珍しく練習無しなので、二つほど演奏会を冷やかしに参ります。

と、云う事で。